日本の政治家よ、少しはデンマークの政治システムを見習え

Denmark
 

日本で相次ぐ政治家の辞任や不祥事。日本の政治をここまで貶めたのは一体誰なのか、と呆れてしまいますよね。メルマガ『蟹瀬誠一の「ニュースを笑え」』の著者で、国際ジャーナリストの蟹瀬誠一さんは、デンマークの政治システムや国のあり方についての一例を紹介し、日本の政治家も少しはデンマークに学ぶべき、との持論を展開しています。

蓮舫・稲田と相次いだ辞任劇

こういうのを遅きに失したというのだろう。ひとつの嘘から始まった悪循環の末に傷口を広げるだけ広げて放り出した。

聡明で笑顔を絶やさない。私が蓮舫とテレビ朝日夕方ニュースのキャスターとして働いた時の印象である。だが政党党首としての包容力が欠けていた。拳を突き上げ歯をむき出して相手を追い込むだけでは周りは敵ばかりになる。

永田町は今も昔もヤクザと同じ義理人情の世界なのだ。親分肌でなければ人心は掌握できない。さて後釜は誰かと思えば、脛に傷だらけで失脚した前原か枝野だという。マイケル・ジャクソンの映画『スリラー』を思い出す。夢も希望もない人選だ。

もっと深刻なのは稲田防衛大臣だ。南スーダン情勢が緊迫している最中、銀座の高級和食店内でばったり稲田大臣と遭遇した。さすがにバツが悪るそうで目を伏せていたが、その程度の危機感しか持っていない人物が防衛大臣を務めていることに驚いた。

どんな友達関係かは知らないけれど、この人を国防の要に就けた安倍総理の罪は重い。任命責任が自身にあるというのならその責任をきちんととるのが筋だろうが、その気はさらさらない。本当の保守政治も民主主義も理解できないまま宰相になった短気なお坊ちゃんの姿があるだけだ。

政治家のことはデンマークに学べ

こんな日本に誰がしたと問えば、こんな輩を政治家にした国民の無責任という返事が返ってくる。「日本人は外野からやじを飛ばすだけで主権在民という権利を放棄している」と、あるデンマーク人の知人から厳しい指摘を受けた。その通りだと思う。

デンマークの国会議員の年収は国民平均所得の750万(日本は3200万円)。大卒で働いている人の給与よりも低い。地方議員に至っては無給のボランティアだ。かつて二院制だった議会も無駄な経費を削って一院制にした。この例にならえば日本の国会議員の年収は450万にすべきだ。そうすれば庶民の気持ちも分かるようになる。

デンマークでは個人も企業も登録番号制度で収入・支出が透明化されているため汚職や脱税が極めて難しい。つまり税の使い道が明確にされているのだ。だから国民負担率が7割を超えていても不満の声が少なく「世界一幸せな国」が実現しているのである。

その背景には「国を守るのは自国民しかいないという国民の共生意識がある。デンマークの歴史はナチスドイツとの国土争奪戦の歴史だったからだ。今日のお互いを守りあうデンマークの社会福祉制度もそんな中から生まれた。

デンマーク憲法では18歳から32歳までの徴兵制度が定められているが、軍人志望の若者が増えているため徴兵の必要がないという。自分だけが良ければいいという若者で溢れている日本とは雲泥の差だ。移民受け入れの前にいっそデンマークから政治家を受け入れたらどうか。

image by: Shutterstock

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【著者】 蟹瀬誠一 【月額】 ¥1,100/月(税込) 【発行周期】

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