台湾で大成功。日本の外食チェーンが「味を変えず」に成功できる理由

 

こうした日台の歴史背景や嗜好の近さ、さらには、日台交流の促進による観光客やビジネス交流の激増によって、日本の食文化が台湾へ進出するだけでなく、台湾の食文化が日本へ進出することも激増しました。台湾の飲食チェーンが日本に進出したピークは2014年でした。火付け役はタピオカ飲料でしょう。

その後は、台湾麺線、牛肉麺、マンゴーかき氷など、台湾で独自に発展した、ソウルフードとも言うべき小吃が東京をはじめとする日本の主要都市に次々と進出してきました。もちろん味は日本向けにしたものではく、台湾で提供しているものと同じです。

春水堂
ICE MONSTER
台湾麺線
台湾のソウルフード「牛肉麺」の最大チェーン、 「三商巧福」が日本初上陸!

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三商巧福の牛肉麺

グルメ、芸能、観光、ビジネスなどで台湾を知った日本人は、旅先の台湾で出会った味を新鮮に思い、帰国後は懐かしく思い、日本でも台湾の味を求めたのです。台湾は、後藤新平によって衛生観念をしっかり教え込まれた国です。中国と台湾の区別がつかない日本人でも、実際に台湾を訪れてみて台湾の衛生管理の状態を知ることで、台湾ならと安心することができることでしょう。

さらに、日本の家庭事情の変化も台湾の飲食文化を受け入れる受け皿になっているのではないかと思います。かつて、日本の多くの女性は結婚後は専業主婦として家庭に入っていました。しかし今は、女性も活躍する時代です。結婚、出産しても仕事を続ける女性が実に増えています。それにより、必然的に外食が多くなる。共稼ぎで頻繁に外食する台湾人の家庭とライフスタイルが似通ってきているのです。

そこで重宝するのが、手軽にテイクアウトできたり、手軽に食べられる小吃ものです。こうした日本の家庭における食事様式の変化も、台湾の飲食チェーン店の日本進出を後押している要因のひとつでしょう。もちろん、台湾の小吃は世界の誰もが美味しいと認める自慢のB級グルメですから、日本人にも受け入れられないわけがない。こうして日台の飲食相互交流はどんどん進んでいるわけです。

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