なぜ大手メーカーはダイソンが売り込んだ技術を門前払いしたか?

 

それにしても、なぜ大手はみすみすチャンスを逃し後手に回ってしまったのか? この辺りは、デジタル化の時代が見えていながらも、フィルムでも大儲けしていたコダックが動けず、ついには破綻してしまったエピソードを彷彿とさせます。下記のコラムでご紹介しています。

部分最適化とイノベーションのジレンマ

まさにイノベーションのジレンマ的な話です。

よくビジネスプランコンテスト的な場で評者のコメントに「大手が真似してきたらどうする?」という質問があります。

たしかに、新しいタイプのサービスが普及してきたのを見計らって、大手がコピー版や廉価版を出して一気に襲いかかってくることはよくあります。UberでもAirBnBでも、ちょっと普及してくると、すぐに大手が真似してくる。

でも、それが必ずしもうまく行くわけではないのが面白いところ(もちろんやられる場合も多いのですが!)。

だって普通に考えたら「メルカリ」なんて、ヤフオクが本気を出したら、すぐに捻り潰せそうなのにそうはならない。そこには「スピード信念という武器があるから(最近は資金調達もしやすくなっているという事情も)。

もっと大きいのは「捨てなければならないものが大きいと動けない」という理由。今儲かっているビジネスモデルを捨てられないジレンマはよくわかりますよね。

こう考えてみると、もし、なにかアイデアがあるなら、そのうち大手に真似されるからダメだろうとハナっから諦めなくてもチャンスがありそうです。

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日本最大級の海外MBA統括責任者を務めた著者によるメルマガ。MBAのフレームワークや理論などを応用しながら、社会問題やニュースを分析。またフローパッド(FlowPAD)最新情報、オンラインコミュニティ運営のノウハウなども連載。

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【著者】 若林計志 【発行周期】 ほぼ 月刊

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