北朝鮮、次のXデーは9月9日か。金正恩が最も国威発揚する日に警戒

 

7月28日には米本土を射程に収めるICBM発射実験を成功させるなど、ますますエスカレートする北朝鮮の挑発。中国に歯止め役を期待したアメリカですが、その思惑は大きく外れた形となってしまいました。メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』では著者の高城剛さんが、トランプ大統領や米政府高官らの発言から見て取れる「アメリカの苛立ち」を指摘するとともに、今後より一層の緊張が東アジア全体を覆うとの見方を示しています。

東アジア全体を覆うより一層の緊張

今週は、北朝鮮をコントロールしない中国と苛立つトランプ政権につきまして、私見たっぷりにお話ししたいと思います。

7月28日深夜、北朝鮮は、自国のICBM「火星14号」の第2回発射実験を強行しました。前回と同じく通常より角度をつけて高く打ち上げる「ロフテッド軌道」が使われたと見られており、専門家は、通常軌道で発射した場合、最大射程は前回より伸びて1万キロに達する可能性があると分析しています。この射程1万キロは、アメリカ本土に届く距離で、西海岸のサンフランシスコやロサンゼルスが射程内に入ります。

北朝鮮が2回目のICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表したことを受けて、アメリカのトランプ大統領はツイッターに「中国には大変失望している。アメリカの過去の愚かな指導者たちが貿易で中国に大金を稼がせたのに、中国は北朝鮮に対して口先だけでわれわれのために何もしていない」と書き込み、北朝鮮への影響力を行使していない中国への強い不満を表明しました。

さらに「われわれはもはやこの事態が続くのを見過ごすわけにはいかない」と投稿し、今後、北朝鮮同様に中国に対して何らかの措置を取る可能性を示唆しています。

実は、米中両政府が7月中旬、トランプ政権発足後、初めて開催した閣僚級の包括経済対話が行われましたが、トランプ大統領が中国側代表団(中国代表団団長は汪洋副首相)と会見せず、予定していた記者会見も直前になって急きょ中止に追い込まれていました。

会議はワシントンで行われ、トランプもホワイトハウスで執務していたにもかかわらず、中国側代表団と会わないのは極めて異例で、北朝鮮の管理ができない中国に対し、業を煮やしている現れだと考えられます。

このままでは、米中による全面的な経済戦争に発展する可能性があり、ロイターは「両国関係は一気に冷え込む可能性が高いだろう」と伝えています。

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