中国のステルス戦闘機が超絶進化。軍事評論家「米露に近い戦闘力だ」

2017.08.09
 

しかし、J-20が登場した段階では、中国はロシアから導入したSu-27戦闘機のAL-31エンジンを流用している可能性が高く、パワー不足を補うためにカナード翼を採用せざるを得なかったという見方になるのです。

むろん中国も米国GE製のターボファンエンジンの改良を重ねたWS-10Gの開発を進めてきましたから、現在ではエンジンのパワー不足は解消されているかもしれません。

でも、問題は残ります。

せっかくの中国初のステルス戦闘機なのに、カナード翼のせいでステルス性が損なわれるという問題が残るというのです。

ステルス機は正面からのレーダー電波を拡散し、電波吸収材で補うデザインになっていますから、薄いカナード翼など影響はないように思われますが、精度の高いレーダーにかかると、カナード翼がない場合に比べてRCS(レーダー反射断面積)が大きくなり、発見されやすいというのです。

J-20が試験飛行した当時、中国人民解放軍の装備担当の将官にエンジンのパワー不足とカナード翼の問題を指摘すると、あっさりと認めたのにはかえって驚かされました。

「次は強力なエンジンを手に入れますから、カナード翼もなくなりますよ」

はたして、その言葉のとおりになったようです。

J-31戦闘機の登場です。

これもカタログ・データで紹介するしかありませんが、次のような横顔です。

  • 全長:16.8m
  • 全幅:11.5m
  • 最大離陸重量:25t
  • 最大速度マッハ:1.8
  • 戦闘行動半径:1,200km

J-20で力不足が問題になったエンジンも、ロシア製のクリモフRD-93を2基搭載していると伝えられ、強化された印象です。

機体こそコンパクトになったものの、着実に米国のF-35、F-22、ロシアのT-50といった国際水準のステルス機に近づきつつあることは間違いないようです。

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