おっさん、おばさんに朗報。森下仁丹が「第四新卒」を採用するワケ

 

実は森下仁丹の駒村純一社長もやる気SOCの持ち主です。

駒村さんは元商社マン。イタリアに駐在した時には現地の出資先の社長も経験するなど、まさに順風満帆のキャリアを歩んできました。

ところが、「このままではつまらない人生になってしまう」と感じ、一念発起。

52歳で商社を退社し、「まだまだ自分は一線で働きたい」という思いだけで辞めたそうです。

転職先も決まってないのに一歩踏み出したのは、駒村さんが「人格的成長」というリソースを持っていたからです。

無職となり5ヵ月が過ぎようとしたとき、「経営状況が悪化している大阪の老舗企業が経営立て直しの人材を探している」と知り合いからオファーが届いた。それが森下仁丹でした。

「私には、そうした企業を黒字転換させてきた経験がある。自分のキャリアが生かせるかもしれない」

そう考えた駒村氏は、執行役員として入社

しかし、現実は甘くありませんでした。待ち受けていたのは「豪雨」。

暴風が吹き荒れました。

中に入って知った会社の現状は想像以上に悲惨で、売り上げはピーク時のわずか10分の1。

経営の立て直しを進めようとしても、「外から来たやつが何を言ってやがる」と反感を持つ人が多く、周りは敵ばかり

そこで氏は、「社内に蔓延する『つぶれるわけがない』という空気を変えるには、新しい風を入れるしかない」と、外部の人材を積極的に起用し、管理職に抜擢。当然ながら、生え抜きの社員は猛反発。

それでも氏はやり方を変えませんでした。

「新しい人が来て結果を出していけば、それが刺激になる。会社が本気で変わろうとしているという危機感を持ってもらうためには、まず行動で示すことが大切でした。改革には痛みが伴うその痛みを避けていては前に進むことはできない」(by 駒村氏)

自分を信じ、中途採用を広げ、部長職の平均年齢も40代と大きく若返り、2006年には社長に就任。本社の工場敷地も売却し、財務状況を健全化させ、次のチャレンジをするための下地を整えた。

その結果、生まれたのが現在の経営の柱となっている、独自のシームレスカプセル技術。10年間で売り上げを倍にし、今に至ったのです。

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