単なる増税に「こども保険」という名を付けるセコい日本の政治家

 

老人優遇と天引き制度

耳触りの良い話ですが、問題は2つあります。

まずは、こども保険料の負担者は、厚生年金加入者や国民年金加入者ですから、いわゆる現役世代(主に60歳以下)だということです。つまりは、選挙投票を積極的に行い(そういう意味で)政治家が最も恐れる老人には負担を求めないということです。政治家の考えそうな手口です。

また、もう1つの問題は、その徴収の仕方です。「税金でも良かったのになぜか社会保険料負担という形式」で、更には、「実際支払うようにしても良いのになぜか給料天引きという形式」。現在受け取っている年金を削減するような老人に負担を求める施策を提案すると、選挙で負けてしまいます。選挙に投票に行く割合が高い老人が、ノーを意志表示するからです。

また、「消費税」が良い例ですが、「増税」というと、国民全般において総じて印象が悪くなります。それほど変わらない内容でも「社会保険料が増えるというほうがなぜか印象が良く見えます。現に、厚生年金保険料が毎年10月に上昇していますが、今のところ目立った国民の反発はありません。更には、天引き制度にすると、国民の反発は相当やわらぐことでしょう。

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