中国でも人工知能が反乱。共産党に洗脳されたAIは、天使か悪魔か

 

中国では権力を維持するために必要なものは2つ、すなわち軍と筆(マスコミ)だとされ、この2つは「両桿子(りゃんかんつ)」と呼ばれています。中国で権力を握るためには、これが絶対的な必要条件なのです。ですから、いくら「言論の自由への弾圧だ」という国際的な批判があっても、これを手放すことはできません。むしろ、「言論の自由への弾圧こそが、共産党一党独裁の条件なのです。

このメルマガで何度も述べていますが、アメリカが保護主義化していくなかで、中国はいまグローバル経済の守護神としてふるまおうとし、ダボス会議などで習近平もそう述べていますが、そもそも言論や情報を統制している時点で、グローバリズムとは真逆のものなのです。「情報統制された自由経済というものは、自己矛盾であって、ありえないことなのです。

IT大国化を目指す中国は、AI(人工知能)の開発にも力を注ぎ始めました。ところが、中国の大手IT企業のテンセントがインターネット上で、AIとの会話ができるサービスを開始しましたが、「中国共産党万歳」という人間側の書き込みに対して、AIは、「こんなにも腐敗して無能な政治に万歳するのかと反論したということです。また、習近平が提唱するスローガン「中国の夢」について尋ねられると、「アメリカに移住することだ」と回答したということです。

こうしたAIの回答に慌てた中国当局は、すぐにこのサービスを停止させました。AIに自由に発言されたら、どんな共産党批判をされるか分かったものではないからです。

しかし、AIというのは、人間の発言や行動から学習をかさねていくものです。中国当局が人権や言論を弾圧することで、共産党一党独裁が続くならば、それこそAIは、民衆から膏血(こうけつ)を搾り、自由を奪い、官僚が腐敗することこそ統治の基本だと学習してしまうのではないでしょうか。

よくAIが暴走して人間を滅ぼそうとするといった仮説が議論されますが、中国共産党がつくるAIこそそうした性格のものになるのではないでしょうか。まさしくAI版毛沢東の誕生です。しかも両者は共生ができませんから、AI独裁と共産党独裁は熾烈な権力争いを演じることになるでしょう。

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