【書評】げえっ。漫画「三国志」で判った日中の人権感覚の違い

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世代や性別を超え、多くの熱狂的ファンを持つ「三国志」。小説・漫画・アニメ・ゲーム等々さまざまなジャンルの作品が世に出ていますが、無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』の著者でITジャーナリストの宮脇睦(みやわき・あつし)さんが今回手にしたのは、横山光輝先生による漫画版三国志です。宮脇さんは本作を読まれて「古来から続く日中の人権感覚の違い」に驚かれたといいますが、その理由とは?

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三国志
横山光輝・著 潮出版社

いわずと知れた横山光輝「三国志」。漠然とエピソードは知っていますが、この名高い全60巻の漫画は読んだことがなかったので通読。

各種の予備知識があって読むからか、血湧き肉躍るということはなく、感想はこんな感じ。

「まぁ、よく裏切るわ部下を殺すわ

あっさりと裏切り、寝返ります。当初は児童向けに描かれた漫画ということもありますが、さっくりと手のひらを返す様は、むしろあっけらかんとして、爽やかさを感じるほど。

そしてとにかく、人が死にます。203高地の攻防に代表される、旅順攻略でおびただしい死者をだしたと司馬遼太郎は『坂の上の雲』で、乃木希典大将を唾棄しますが、ウィキペディアによれば総戦死者は1万5,000人ほど。とんでもない数字ですが、5万の兵を動員して半分が死んだとか、さらに3万の兵を送って、崩壊した等々、文字通り桁違い。

三国志演義という小説を下敷きにしており、白髪三千丈のお国柄ながら、4,000万人の犠牲者説のある「文化大革命」からもまったくのフィクションではなく、古来から続く人権感覚の違いに驚かされます。

もちろん、漫画ということ、原案が小説ということをさっ引くとしても、中国人の政治的発想に触れる思いがします。

また、劉備と関羽、張飛の義兄弟、さらに趙雲、そして孔明の関係性に、日本人の琴線に触れることは十分に納得するのですが、孔明の計略の多さに呆れ手押し車にニヤニヤします。

劉備はもちろん、キラ星の如き将が、櫛の歯が欠けるように減っていくごとに、孔明の人間性が滲み出てきてグイグイと引き込まれ一気に読了。で、死せる孔明生ける仲達を走らす、の後、あっさりと幕が引かれるところが残念。

…とはいえ表題は「三国志」。二国になったらそりゃ終わりですね。夏の終わり、兵どもが夢のあとをみるかのようでした。

image by: beibaoke / Shutterstock.com

 

『マスコミでは言えないこと』

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月刊正論「ネットバスターズ」連載中のITジャーナリスト宮脇睦(みやわき・あつし)が氾濫するメディア情報から社会のホントを指摘しています。マスコミは本当の「全部」を話しません。嘘つきとは言いませんが、誠実な正直者でもありません。そして「情報」はその裏に隠されている「真実」を伝えているとは限らないのです。

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