一点の曇りもないの大嘘。今度は政府公開の「議事要旨」に疑惑

 

内閣府によると、公開、非公開についての希望はどの提案についてもヒアリングの冒頭で確認する。2015年6月5日時点の事実に従って「非公開を希望」としたら、辻褄が合わなくなるのだ。

ここで、考えなければならないのは、なぜ今年になって公開に転じたのかということだ。

内閣府によると、ワーキンググループの八田達夫座長(阪大名誉教授)が言い出したらしい。八田氏は国家戦略特区諮問会議の竹中平蔵氏ら有識者議員五人のうちの一人である。

「座長の判断であらためて、この議事の公開を提案したいと相談を受け、再度協議をした結果、議事を公開することになったのです」(塩見参事官)公開を決めたのはいつかという問いには「2月から3月の段階」と言う。

そこで、振り返ってみたい。国会で加計学園の問題が取り上げられたのは、おそらく3月3日が最初だったのではないだろうか。その日の参院予算委員会で民進党の舟山康江議員が森友疑惑について質問するなかで、以下のようにふれている。

「幾つかの報道で安倍首相に第二の森友学園疑惑浮上という報道がありました。総理の親友が経営する加計学園が三十七億円の土地を無償で今治市から提供を受けていると」

この時期、野党は森友学園の小学校新設問題をめぐる疑惑の追及に躍起だったため、舟山議員の質疑は、問題の指摘ていどに終わったが、「第二の森友学園疑惑」として野党の新しいターゲットになることは明らかだった。安倍官邸が緊急事態として対応を急いだことは想像に難くない。

塩見参事官は「2~3月」と時期に幅を持たせたが、八田座長と内閣府が議事要旨を新たに作成する決断をしたことと、メディアや野党が加計問題を取り上げ始めたことが、無関係であるとは到底思えない。

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