銀行はもういらない。経済の歴史をひっくり返す「仮想通貨」の破壊力

ビットコイン、フィンテック
 

短期売買のリスクばかりがクローズアップされがちな仮想通貨ですが、起業家や投資家にとっては大きなメリットもあるようです。今回の無料メルマガ『グローバル時代、こんな見方も…』では著者のスティーブ・オーさんが、時代に大きな変化をもたらしつつある「フィンテック」の存在感と破壊力について、初心者にもわかりやすく解説しています。

フィンテックは創造的破壊をもたらすのか──変わりゆく通貨のパラダイム

ビットコイン、ブロックチェーン、フィンテック──。ここ数年、揃って耳にする機会の多い3つの単語であるが、将来的な活躍の場は、それぞれ別の方面にありそうである。ビットコインは仮想通貨であり、ブロックチェーンは革新的なIT台帳フィンテックは金融とテクノロジー融合の総称である。

日本でフィンテックは、ファイナンス・テクノロジーと訳されることが多いが、同じ英単語を使うなら「フィナンシャル・テクノロジー」とした方がより正確に聞こえる。検索すると、中国語では「金融科技」とのこと。「金融+科学技術」であることが理解でき、漢字なら初耳でも世代を超えてイメージしやすい。

そのイメージの通り、フィンテックは概念的な言葉であって、何か特別な定義を必要としているわけではない。重要なのは、その中核技術となるブロックチェーンのほうで、これはデジタル時代の「台帳革命」と捉えるべきである。

英語では、ブロックチェーンを用いた技術を「ディストリビューテッド・レッジャー・テクノロジー」と呼んでいる。日本語で「分散型台帳テクノロジー」と訳せるだろうか。

「台帳」と言えば、データを一まとめに管理するノートなどのこと。一般的には、担当者や責任者がそれらを一括管理している。

既によくご存知の方も多いと思うが、ブロックチェーンは、台帳の収録や管理に必要な作業を、参加者で分散して処理し、その個々の作業が一定量まとまってブロックとなり、それが別のブロックと繋がることでブロックチェーンと呼ばれる。

個々の作業は、また別の参加者によって確認作業されるので、デジタル処理も手伝い、極めて精巧な結果が得られる。そして何よりも、作業内容を参加者全員が共有することで、高度な透明性が確保される。

直近では、ブロックチェーンの欠点を補った「タングル」と呼ばれるシステムも登場し、その技術を用いたデジタルコインも既に市場で取引されている。

さらに、ブロックチェーンを土地台帳や政治への応用を考える国も現れている。時代遅れの中央集権型の政治に代わり、市民が身近に監督し、記録は正確に保護され、縁故主義に陥ることのない夢の政治システムを人類は獲得できるだろうか。

この先、AIとのコラボも進み、ブロックチェーンは大きく発展しそうである。

電気の発見やインターネットの発明で、その前後で人間社会はまるで別世界である。ブロックチェーンもまた、これに匹敵するパラダイムの変化を多方面で引き起こそうとしているのかもしれない。

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