イギリスが日本に急接近。日英同盟復活で得られる2つのメリット

 

イギリスは、アメリカを3度裏切った

イギリス、今の首相はメイさんです。その前は、キャメロンさんでした。この方は、2010~2016年、首相だった。そして、在任中「アメリカを3度裏切った男」として知られています。

1度目は、2013年8月から9月にかけて。この時、オバマさんは、「化学兵器を使ったアサドを許さない! シリアを攻撃する!」と宣言した。イギリスも戦争に付き合うはずだった。ところが後で、「やっぱりやめた!」と変心した。フランスも変心し、アメリカは孤立した。で、結局、この戦争はドタキャン」になりました。これで、オバマさんは「史上最弱の大統領」と批判された。

キャメロンさんの名誉のために書きますが、イギリスが変心したのは、議会が戦争に反対したからです。キャメロンさんは、オバマさんと戦争したかったようです。

2度目は、2015年3月。歴史的「AIIB事件」が起こった。イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スイス、オーストラリア、イスラエル、韓国などなど、「親米国家群」が、中国主導「AIIB」への参加を表明。オバマさんは、「親米国家群は、アメリカより中国のいうことを聞くのか!!!」と大きな衝撃を受けた。

この事件は、アメリカの没落を象徴する、大事件でした。そして、先頭をきって、アメリカを裏切り中国に走ったのがイギリスだった。

3度目は、2016年10月、中国人民元がIMF・SDR構成通貨に採用された時。アメリカは、これに反対。イギリスは、逆に積極的に支持しました。

これらの事実からわかることはなんでしょうか? キャメロンさんは、相対的に「反米親中だった」。

ブレグジットで変わるイギリス

反米親中のイギリス。これは、日本にとっても都合が悪いですね。

ところが、大きな変化が2016年6月に起こります。そう、国民投票で、「EU離脱」が決まった。これで、イギリスの立ち位置が大きく変わったのです。

イギリスは、EU加盟国である。そして、EUは、実質ドイツに支配されている。その次が、フランスとイギリスである。イギリスは、EUでは主役になれず、それでも「EU内で特別な地位を得よう」とがんばってきた。それで、この国は、ユーロ圏、シェンゲン圏にも入っていない。

そして、EUを支配するドイツは、アメリカとの関係も悪くないですが、中国との関係を、とても重視しているのです。ブレグジットイギリスは、ドイツを中心とするEUから切り離されます

欧州、今の力関係

さて、国民投票の結果を受け、キャメロンさんは辞任しました。メイさんが首相になります。そして、アメリカでは、ナショナリストのトランプさんが大統領になった。

トランプさんは、グローバリストのメルケルさんと、あまり関係がよくない。メルケルさんは、トランプさんが「パリ協定離脱」を宣言した後、さらに中国に接近しています(習近平は、ちゃっかり、「パリ協定絶対支持宣言」をしている)。

一方、メイさんは、メルケルさんと逆の道を行きました。ブレグジットでEU、ドイツとの関係は必然的に悪化する。だから、アメリカに接近することにした。アメリカとイギリスの特別の関係」が戻ってきました。

そんな、トランプさんは今、北朝鮮と熱心に戦っている。彼は本来、「反中」である。そして、日本とは同盟関係にある。

というわけで、メイさんはアメリカと同じ動きをしているのです。

print
いま読まれてます

  • イギリスが日本に急接近。日英同盟復活で得られる2つのメリット
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け