北朝鮮は、「世界の孤児」
亀さんのようにノロノロした歩みでも、少しずつ情勢が動いている例を挙げましょう。毎日新聞9月5日。
緊急会合は、日米韓英仏が要請した。英仏が要請に加わるのは異例。
日本の別所浩郎国連大使も「時間を無駄にはできない」と話し、安保理が一致して最大限の圧力をかけるため、新しい制裁決議案を採択するよう求めた。英仏両国の大使も決議案の採択を主張した。
これは、何でしょう? イギリスとフランスは今まで、「北朝鮮核問題? 遠いからあまり関係ありません」という態度だった。ところが、いよいよ「関与せざるを得ないよね」というムードになってきた。
そういえば8月29日、私はベラルーシの知人からメールをもらいました。
弾道ミサイル発射のニュースを見ました。日本に同情します。日本は隣国に恵まれていないですね。日本の皆さんの安全を祈ります。
ベラルーシは、「欧州最後の独裁者」とよばれるルカシェンコさんが統治する国。そんなベラルーシでも、「北朝鮮は、なんという悪い国だ!」となっている。そう、北は、まさに「世界の孤児」になっているのです。
国際世論は、日米の側にある。将来戦争になるにしても、国連安保理を通して、行けるとこまで行くことがとても大切です。戦争になった時、全世界が「悪いのは北、日米は、できるかぎりの努力をした」と納得するほどに。そうなれば、中国、ロシアも、露骨に北朝鮮支援をできなくなるでしょう。
たとえば、中国が北を露骨に守ったとします。そのとき、欧州が日米側につき、日欧米で中国に強力な経済制裁を課すことにした。すると、中国経済は、崩壊してしまうでしょう。1950年からの朝鮮戦争で、中国は北を守りました。そのとき、中国には、「崩壊させるだけの経済」がなかった。しかし、今の中国は違います。GDP世界2位。経済が崩壊すれば、共産党一党独裁体制も崩れることでしょう。
習近平はやがて、北朝鮮を見捨てるか、北を守って自国を崩壊させるかの選択を迫られることになります。