社会に溢れる「ひとつの正解」が、子どもたちを自殺に追い込む

 

社会を見渡してみれば、「ひとつの正解」が溢れています。

進学も、就職も、結婚も、出産も、出世も、みんなみんな「ひとつの正解」にを求め、走りたくもないのに走らされている。

ちょっとでも「正解から外れると負け組だのがんばりが足りないのだの揶揄され、「どうせ俺なんて……」と自己嫌悪に陥っていく。

10人いれば10とおりの価値観や生き方があって然るべきなのに、なんとも不思議なこと。

良い中学、良い高校、良い大学に行き、良い企業に就職するーーー。

学生の「大企業志向の高まり」も、「ひとつしか正解がない」という息苦しさの裏返しなんじゃないでしょうか。

「“正解を手に入れない自分は生きている意味がない」という強迫観念が、日本の20代、30代の若者の自殺が「先進国」で突出している背景にあるんじゃないでしょうか。

そして、50代が定年後を不安に思うのは、かつての「正解」のチケットが激減していることを察知する一方で、「ひょっとしたら運良く手に入るかもしれない」とはかない期待にすがっているからじゃないでしょうか。

……まさしく既得権益にしがみつくジジイ”。ジジイを量産する社会は若者(子)が生きづらい社会でもある。そう考えることはできないでしょうか?

 

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河合薫さんからのメッセージ)『世の男性をいっせいに敵に回しそうなタイトルになっておりますが、内容は「オジさんとオバさんへの応援歌」です。これまでずっと書きたかった自分の専門分野を軸に、職場にはびこる「ジジイの壁」をあばき、知に基づく真の共感を得るべく言葉を綴りました』

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