サイバー攻撃を仕掛ければ、中国にいながら仮想敵国とする日本やアメリカの民間企業における組織編成や事業内容、取引内容、社員の個人情報など、あらゆる情報を盗み出すことは可能です。これまでのようにスパイが命がけで情報を盗もうとしなくても済むわけです。
万が一、尻尾をつかまれたところで、サイバー攻撃なら現行犯逮捕というわけにはいきません。その利便性もあって、中国の情報窃盗はどんどんエスカレートしており、民間の零細企業にまでその魔手は及んでいます。盗まれる側が、うちの情報を盗んだって何の役にもたたないと思っているようなものでさえ盗んでいくのです。
中国は手当たり次第盗んで、いざというときのためにストックしているのではないかというのが、専らの推測です。これだけ情報を持っていれば、例えば、中国が仮想敵国の原子力発電所を攻撃して、どこかの企業を犯人に仕立て上げることもできます。現実の攻撃や被害の裏には、情報操作の頭脳戦があります。それが現代社会の闇であり、デジタル時代の落とし穴でもあるのです。
こうしたサイバー攻撃やハッキングから情報を守るために、データの書き換えや漏洩が不可能と言われるブロックチェーンといった技術も登場していますが、中国からの攻撃にどこまで対処できるのかは不透明です。ただ、自分、自社、自国の情報はしっかり守るという意識を持つことは絶対に必要です。うちには利用価値のある情報なんてないから大丈夫と言わず、どんな情報でもしっかりと守ることが必要です。
image by: 360b / Shutterstock.com