3年連続赤字、悩めるクリスピー・クリーム・ドーナツの3つの大改革

 

新社長が取り組む経営立て直しのための改革とは?

危機的な状況を脱出するために、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンでは次々と改革の一手を繰り出しています。

1.日本人の嗜好に合わせた商品開発

まず、一つ目が日本人の嗜好に合わせた日本独自の商品開発です。

クリスピー・クリーム・ドーナツといえば、イーストドーナツを真っ白いグレーズでコーティングした「オリジナル・グレーズド」といっても過言ではないくらい、世界中で愛されている看板商品です。

ただ、この「オリジナル・グレーズド」は、日本人にとって甘すぎて、特にカロリーや健康を気にする顧客には敬遠される傾向にありました。

そこで、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンでは、日本人の嗜好に合わせて甘過ぎないドーナツの開発に着手したのです。

その結果、生まれた日本独自の新製品が「ブリュレ・グレーズド」。

「ブリュレ・グレーズド」は、ドーナツをコーティングしているグレーズドをバーナーで炙っておいしく焦がすことで、甘過ぎず香ばしさが漂う日本人好みの一品に仕上がりました。

このように、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンは、全世界で定番の「オリジナル・グレーズド」に頼るのではなく、日本人の好みに合わせたオリジナルドーナツを投入することによって危機的な状況を乗り切ろうと考えているのです。

2.トレンドに乗った商品の提供

続いて、二つ目は世の中の流れに乗った商品を提供するということです。

ドーナツは市場規模が縮小していることからわかるように、健康志向の高まった日本では、どちらかといえば流れに逆らった商品といえます。

そこで、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンが着目したのが「SNS映え」。

今や見た目にインパクトのある商品を写真に撮ってインスタグラムやTwitter、FacebookなどのSNSで多くの人にシェアする行為が流行っています。

SNSで「バズる」と大きく売り上げアップにつながるため、最初からSNSでシェアされることを想定して商品開発に取り組む企業も増えているのです。

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンも、この「SNS映え」の波に乗ろうと期間限定でフォトジェニックな商品を次々に投入。

現在はハロウィーンに向けてお化けやカボチャ、蜘蛛の巣などをイメージしたドーナツを10月31日までの期間限定で販売しています。

このようなSNS映えするドーナツは、若い女性の間で流行している海外風のおしゃれなピクニック、通称「おしゃピク」で注目を浴びるという重要な役割を果たすアイテムとなるなど、人気が高まってきているのです。

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