「話しかけないでオーラ」ビンビンの客にモノを売る神ワザ接客術

 

会話をきっぱり諦めることです。

私はこれができるようになってから、だいぶ気持ちが楽になりました。というのも、販売員はやっぱり何としてでもそのお客様に良いものを買ってもらうために会話をしようとします。しかも普段から会話をすることに慣れているので、お客様と話したくて仕方ありません。だから、お客様が会話を求めていないとわかったとしても、なかなか会話をすることを諦められないのです。

私自身もそうでした。会話を求めてなさそうだな、とはわかっても諦められず販売するために、お客様の要望や情報を聞き出そうと頑張るわけです。

ですが、ある百貨店でこんな接客を受けたことがあります。私はその時、たまたま一人でゆっくり商品を見たいなと思って、店内にいました。そこに販売員さんが近づいてきて軽くアプローチをしてくれたのですが、私が会話を求めていないことがわかるとすぐに離れていったのです。スパッと会話することを諦めたわけですね。

しかし、結果的に私は買い物をしました。なぜなら、その販売員さんの対応が素晴らしかったからなのです。

まずアプローチに来た時点で、とても感じの良い方でした。その後の短い会話でも、素敵な笑顔でストレスなく対応してくれました。ここまでは、まぁあり得る話でしょう。

ポイントは、その後諦めて離れていった後です。普通は、会話をする気がなさそうだなと感じたら、スッと離れて呼ばれるのを待つことになります。しかしその方は、離れてからも絶妙な距離感で私の行動をしっかり観察していたんです。

私が商品を手にとって、タグを見たりしても寄ってはこないのですが、聞きたいことが出来て、スッと周囲を見渡すとその販売員さんはすぐに気づいて笑顔で対応してくれました。そしてそこから商品説明をゴリ押すでもなく、また同じようにスッと離れて、ゆっくり商品を見させてくれたんです。ただ諦めるのではなく、会話をすることは諦めてお客様のサポート役に徹することにされたんですね。

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