衆院解散では済まない。新たな録音データが明かす森友疑惑の真実

 

決め手になるのは、2つの音声データだ。一つは森友学園の籠池夫妻が2016年3月15日、財務省に赴き、理財局の田村嘉啓国有財産審理室長と面会したときの録音。もう一つは、関西テレビが独自入手し9月11日に放送したばかりの新しい音声記録である。

今年9月14日に開かれた民進党の森友学園問題プロジェクトチームの会合で、新しい音声データが再生されたが、出席した財務省の面々は「捜査中なのでコメントを控える」と、これまでの隠ぺい姿勢を崩さなかった。

関西テレビによると、録音された時期は2016年3月下旬。籠池夫妻が理財局の田村室長と面会し何日か経過した時点とみられる。

そこで、経過をわかりやすくするため、まず簡単に田村室長と籠池夫妻の面会録音の内容をおさらいしておこう。

籠池夫妻は、当時賃借していた豊中市の小学校建設用地から新たにゴミが見つかったと主張して、財務省に乗り込み、地代値下げを直接、田村室長に談判した。

その場で、田村室長は「本件のように特例的なものは、財務局から相談が来る。土地を売る値段よりも、土地を改良する価格の方が高いときに、売るかどうかは、別の判断がありますが、われわれ、ここまでさせていただいて…」と語っている。

この時点で、国側には土地を「賃貸」から「売却」に変更する意思があったと推察できる。しかも、廃棄物の撤去費より少しでも高い価格なら土地を売ることができるというニュアンスをにじませている。

国が負担した廃棄物の撤去費は1億3176万円。森友学園がその後に国から買った土地の価格が1億3400万円。なんとも“芸術的”な取引に疑念が集中したのは周知のとおりだ。

籠池夫妻と田村室長の面談以降、話は急展開する。

9日後の3月24日、森友学園から近畿財務局に「土地を購入したい」と申し入れがあった。そこで、大阪航空局が新たに見つかったとされるゴミの処分費用を8億1900万円と見積もって、その分を評価額9億5300万円から値引きし、6月20日に売買契約が締結されたのである。

関西テレビが入手したのは、おそらく森友学園が土地購入希望を申し出た後の録音データであろう。土地価格をどうするかについて話し合われている。

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