同じく『大辞林』ですが、
「漢書匈奴伝」匈奴至秋、馬肥弓勁による
秋になって馬が肥えてたくましくなる
という解説がありました。漢文の部分は、「匈奴、秋に至れば、馬肥えて、弓強し」とでも読めばいいでしょう。
匈奴は漢民族からしたら、北方から迫ってくるこわいこわい騎馬民族です。匈奴は秋になると、夏の間に肥え太らせて鍛えた馬に乗り、強い弓で攻めてくる。冬になると遊牧民族は食料に困りますから、秋に収穫したものを奪いにくるぞ…という警戒警報とも言えます。
確かにいい季節であることは間違いないのですが、「なぜ馬なのか?」と考えてみると、実はその裏には漢民族と北方騎馬民族との戦いの歴史が潜んでいる…、ことわざ一つとってみてもなかなか奥が深いものです。
さて、馬は秋に肥えるものなのか、夏にしっかり食べて肥えた馬が秋にやってくるのか…。
日本では「食欲の秋」でもありますので、美味しいものを次から次へと食べているうちに、気がついたら「肥ゆる」になってしまいそうです。少しは「運動の秋」で解消しておきたいところですが、みなさんはいかがですか?
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