ステーキ店ケネディが破産、「いきなり!ステーキ」と明暗分かれる

 

ケネディの平均席数は40~50席(座席タイプ)です。「いきなり! ステーキ」の25~35席(立ち食いタイプ)と比べて席数が多く、より広い店舗面積が必要になります。そのため、「ケネディ」は駅チカ立地で展開することが家賃の面で難しく徒歩5分程度という不便な場所に出店せざるを得なかったと考えられます。おそらく、駅をよく利用する人でも店の存在を知らない人が多かったのではないでしょうか。

一方、「いきなり! ステーキ」はほとんどが最寄り駅から徒歩3分以内という好立地に位置しています。狭い店舗面積でも高収益を稼ぎ出せるビジネスモデルのため、家賃が高い駅チカ立地でも出店が可能です。駅からのアクセスが良いため認知度は高くなります。また、多くの人が気軽に立ち寄ることができます

「いきなり! ステーキ」はコストパフォーマンスが高い上に駅からのアクセスが良いため、「ケネディ」を駆逐していったと考えられます。直接競合する8店以外でも少なからず影響はあったでしょう。また、「いきなり! ステーキ」に駆逐されて閉店に追い込まれた「ケネディ」の店舗も少なからずあったと考えられます。

もちろん、「ケネディ」の競合は「いきなり! ステーキ」だけではありません。異業種の飲食店や他のステーキ店とも競合します。例えば、「いきなり! ステーキ」を展開するペッパーフードサービスはステーキ店「ペッパーランチ」も展開し、「ケネディに影響を与えていたと考えられます。

ペッパーランチ」は立ち食い形式ではない座席タイプのステーキ店です。「ケネディに近い業態といえるでしょう。17年6月末で国内に約140店を展開しています。海外でも好評で、同時点で約290店を展開しています。

国内の「ペッパーランチ」は12年11月から17年6月末まで56カ月連続で既存店売上高が前年同月を上回っているといいます。好調と言っていいでしょう。商業施設内での展開が多いため、「ケネディ」とすぐそばで競合するケースは少なかったとみられますが、影響はそれなりにあったと考えられます。

いずれにしても、「いきなり! ステーキ」との競争に「ケネディ」は敗れた形となりました。逆に言うと、「いきなり! ステーキの勢いのほどが浮き彫りになったともいえそうです。

image by: MAG2 NEWS

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東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。

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