イオン、過去最高益も本業は赤字。苦戦する小売業に未来はあるか?

 

中小企業がイオンの打つ手に何を学ぶか?

発表されたばかりの、イオンがうつこれらの新しい一手に、中小企業は何を学ぶべきだろうか?

まずは、コト消費。そもそも、市場における競争は、スペックや価格などの商品属性ではなく、商品の周りにある価値によって起こるといわれている。具体的には、使用した後の満足感や自身に起こる変化への充足感だ。

その価値にも、機能的な価値と、情緒的な価値があり、イオンのような消費財を扱う場合は特に、生活者は、まずは感情や直感すなわち情緒的価値」でまずは判断をし、競う的価値を確認することが多い。

一般的に、価格や製品特徴を中心に購買を決定する傾向をモノ消費といい、一方で、プロダクトの使用感や期待度が購買の要因になる傾向をコト消費という。イオンのようなリアル店舗をもつ小売業のケースで言えば、コストリーダーシップ戦略による価格訴求や、商品ラインアップの充実がモノ消費対応で、買い物をするだけでなく、映画やスケートを楽しみ、楽しく食事ができる要素を前面に出すことがコト消費への対応となる。

アメリカのショッピングモールなども、ファッションなどの物販に加え、フードコートやちょっとしたレストランなどの飲食店に、映画館やギャラリーなど、エンタメ要素を充実させている。国土が広いアメリカでは、日本のように毎日の食事の買い物をする、という購買習慣よりも、週末にまとめ買いをする傾向が強い。したがって、自動車でモールにいき、3~4時間滞在して帰るという消費者が多い。こうなると、単に買い物に行くのではなく、「楽しみに行くということが行動の目的になる。これが、アメリカのコト消費なのだ。

今回のインドネシアでのコト消費対応の業態も、購買行動の変化に対応しての一手といえる。

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