ネットがざわついた「ベーシックインカム」に希望はあるのか?

 

ベーシックインカムとは、ひとことで言えば、国民全員に、生きて行くのに最低限必要なお金(生活費)を毎年配布するという社会保障制度です。

お金持ちから失業者まで満遍なくお金を配るというのがミソで、それにより、(特定の条件を満たした人たちだけが受けることができる)失業保険・生活保護・年金・介護保険・私立助成金・子供手当などを全廃し、役所の機能と政府の支出を大幅に削ることが可能になります。

それだけでなく、ベーシックインカムの導入と同時に、労働者を保護するための、最低賃金、労働組合、解雇規制、派遣法、職業安定所などシステムも全廃が可能になります(全廃してこそ、ベーシックインカムの導入の意味があります)。派遣社員と正社員の区別などなくなり、会社は必要に応じて、いつでも自由に解雇することが可能になります。

ベーシックインカムにより、人々は「生活費を稼ぐために働く」ことから解放され、「生きがいより良い生活のために働くようになる、というのがベーシックインカム支持者の意見です。その結果、今のように「過酷で給料が安い」仕事には人が集まらなくなり、過酷な仕事にはそれなりの高給が支払われるようになると主張しています。人々から「生活費を稼ぐためには働かなければならない」という弱みを取り除くことにより、労働市場に競争原理が働くようになる、という発想です。

ベーシックインカムだけで暮らして行くことを決めた人は、職探しなどせず、生活費の安い地方に移り住んでのんびりと生きて行くことも可能だし、今だとごく一部の人たちしか生活費を稼げていない、芸術家・音楽家・作家などの職業を選ぶことも容易になります。

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