貧乏くじは引かない。小池氏が衆院選不出馬を決めた2つの理由

arata20171012
 

全国民の注目を浴び「希望の党」を立ち上げるも自らは衆院選不出馬を表明、新党に結集した候補者たちを落胆させた小池都知事。なぜ小池氏はその決断に至ったのでしょうか。元全国紙の社会部記者の新 恭さんはメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で彼女が不出馬を決めたふたつの理由を分析するとともに、小池氏が衆院選公示直前になり「安倍一強政治にノーを」というスローガンの下、森友・加計疑惑追求の姿勢を取るに至った経緯についても記しています。

森友・加計疑惑への対応こそが衆院選の最大の争点

愚直」すなわちバカ正直、が自民党の選挙用キーワードらしい。安倍首相が「愚直に政策を訴えていきたい」と、一つ覚えのように繰り返すと、全国の自民党候補者の口からも「愚直」「愚直」と「安直」にこぼれ出る。

安保法制共謀罪森友・加計疑惑…と矛盾点を突っ込まれてはウソをついてきた安倍政権が選んだ言葉がこれでは、まるでブラックジョークのようである。

衆議院選挙がスタートした。改めて思い出したい。臨時国会を召集しながら、一切の審議を許さず、衆議院を解散した安倍首相の意図。それはただ1つ。自らの関与が疑われる森友・加計問題の追及から逃れるためである。北朝鮮のミサイルや、消費税の使い道などがこじつけなのは、誰でも知っている。

ならば、真の解散理由である森友・加計にからむ政府の隠蔽体質情報公開のあり方権力者に求められる清廉性こそが、この選挙の最大の争点であるべきだ。

筆者が当初、懸念したのは、この疑惑を追及してきた民進党の主要メンバーが希望の党に加入したことだった。

玉木雄一郎氏、宮崎岳志氏、今井雅人氏、福島伸享氏、大西健介氏らである。希望の党のなかでも、彼らは変わらず疑惑追及の声を上げ続けられるのだろうか。

なぜそう思ったかというと、希望の党を率いる小池百合子代表が、安倍首相への対決姿勢を鮮明にしていなかったからである。

それどころか、民進党からの合流希望者を選別排除したことが小池氏にとっての真の敵の所在をわかりにくくした

ターゲットを絞って切れ味鋭く攻撃していくのが小池劇場の真髄だ。なのに、そのシーンの幕が開く前に、楽屋裏のゴタゴタをさらしてしまった。

ようやくステージに上がる気構えが固まったように見えたのは選挙直前になってからだ。

安倍一強政治にノーを」というスローガンを打ち出し、小池氏は9日夜のTBS「NEWS23」党首討論で、森友・加計問題に関する情報公開の必要性を唱えた。公示後初の街頭演説でも、この疑惑を取り上げた。

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