ライザップとのコラボ商品も話題を集めました。16年11月から発売した「糖質を抑えながらもおいしさにコミット」した商品9種類は、累計販売数が発売16日間で300万食を突破しました。特に女性から支持が得られ、当初計画を大幅に上回る販売になったといいます。
好調な販売を受け、ライザップとのコラボ商品をその後も続々と投入し続けています。合わせて、話題性のあるプロモーションも行なっています。今年6月から約2カ月間、ファミマやサンクスで働く従業員がライザップとのコラボ商品を食べて、食生活の改善に取り組む「ファミマでライザップ」を開始しています。
16年9月に新たに導入した加盟店とのフランチャイズ契約も中食の販売を後押ししそうです。ロイヤルティ(経営指導料)は高くなりますが、その代わりに食品の廃棄ロスと水道光熱費の一部を本部が負担します。これはセブンの契約に近い形です。これにより、加盟店は廃棄を恐れずに中食を発注するようになると考えられます。中食の販売機会ロスが減ることが期待されます。
ドン・キホーテとの提携も追い風になりそうです。ユニー・ファミリーマートホールディングス傘下のユニーの株式をドンキホーテホールディングスが40%取得すると8月に発表されました。業務提携の一つとして、商品の共同開発が盛り込まれました。両社共同で中食を含めたオリジナルの商品を開発し、ファミマで展開することが考えられます。
ドンキはかつて、弁当・総菜店「オリジン弁当」を運営する企業を傘下に収めることを企図したことがあります。傘下に収めることで中食が充実した「次世代コンビニエンスストア」の確立を目指しました。買収は失敗したため実現は叶いませんでしたが、代わりに自社の食品を充実化させることで中食の強化を図っています。
ドンキの小売事業における食品売上高の構成比は、13年6月期は29.6%にすぎませんでしたが、17年6月期には34.2%にまで拡大しています。一部の店舗ではドンキオリジナルの弁当を200円で販売するなど中食にも力を入れています。こうした中で培ってきたノウハウを生かし、ファミマとコラボした中食商品などをファミマで展開することが考えられます。
ドンキの既存商品をファミマで展開することも考えられるでしょう。競合のローソンは傘下に収めた成城石井のワインをコンビニで販売しています。ワインに合う菓子やつまみの共同輸入や共同開発も行なっています。ローソンのように、ドンキの商品をファミマで展開することが考えられます。
ファミマが中食の充実化に向けて慌ただしく動き出した感があります。ゆっくりやっていてはセブンとの差が縮まらないという焦りと意欲が突き動かしているようにも見えます。いずれにしても、ファミマがセブンの追撃に本腰を入れてきました。差は縮まるのか、逆に広がっていくのか、注目が集まります。
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