「年金支給、75歳から」説にある勘違い。むしろ受給者は得に

nenkin20171017
 

巷では「年金支給開始年齢が75歳に引き上げられる」という噂がひとり歩きしていますが、無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』の著者・hirokiさんはこれを全面否定。実際は、「受給者本人の意思で受け取り開始年齢を75歳にすることもできる」ように制度を変えようとしているだけなのだそうです。では、75歳から受け取るということは「現実的」なのでしょうか。その疑問にもhirokiさんが明確に答えています。

年金支給開始年齢が75歳になるっていう誤解

なんか…年金支給開始年齢が75歳になるとかならないとかっておかしなウワサが広まってますよね。ちょっと変な誤解が広まってはならないと思って、有料メルマガからの一部ではありますがお知らせメルマガとして配信します。

支給開始年齢が75歳とか間違った噂が広まってますが、違いますからね^^;。まだ案の段階で決まってもないですが、あれは65歳から貰う年金を「受給者本人の意思で75歳からの年金支給を選択できるようにもしたいなぁ」ってだけの話です。

今の年金制度の中に、普通は65歳から年金を貰うはずが自分の意思で年金受給を最大70歳まで遅らせる事により、65歳から貰うはずの年金を最大この5年間(60ヶ月)で42%増額させる年金の繰下げ制度っていうのがあります。65歳以降1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ年金が増えていくという他の金融商品にはありえないほどの利率が付いていく非常におトクな制度です。

※注意

年金の繰下げについてはいろいろ注意点がありますが、この記事では省いて話を進めます。

この最大70歳まで遅らせられる繰下げ制度を75歳まで出来るようにしたらどうか? って話なんですよ(笑)。だから、例えば65歳から貰える老齢厚生年金が100万円で老齢基礎年金が70万円なら70歳まで繰下げしたら元々の年金総額は170万円ですよね。各々42%増額する事により老齢厚生年金は142万円になり、老齢基礎年金は994,000円になります。年金総額は2,414,000円になります。たった5年遅らせるだけで総額が714,000円アップ

じゃあ今回の75歳まで遅らせる事も可能になればどうなるか? 1ヶ月で0.7%増えるから、0.7%×120ヶ月(10年間)=84%増額になる。さっきの65歳時の老齢厚生年金100万円と老齢基礎年金70万円なら、75歳まで繰下げしたら84%増で老齢厚生年金184万円+老齢基礎年金1,288,000円=3,120,000円となり、65歳時点の170万円より1,428,000円増額になりました。たった10年遅らせるだけでとんでもない増額ですよね(笑)。

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