厚生労働省の調べによると、2016年の日本人の平均寿命は男性が80.98歳、女性87.14歳と、いずれも過去最高となりました。老後もいきいきと仕事を続ける人も増え、100歳が当たり前という時代の到来も間近と思われますが、無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者でマンション管理士の廣田信子さんは、高齢者一人ひとりが「どこで誰に看取られるか」を意識すべきと記しています。
高齢でも一人で自宅で暮らすために必要こと
こんにちは! 廣田信子です。
先日、高齢期の住まいの選択に関するセミナーに参加しました。まず驚いたのは、高齢期の定義が70歳~100歳になっていたことです。数年前に話を聞いたときは、60歳ぐらいからの年表だったと思います。対象年齢が10歳ずつ高くなっているように感じました。まさに、70歳までは当たり前に現役として働き、100歳まで生きる時代が来ているのです。
モデルケースでは、80歳までは自立して生活できる期間、90歳までが見守りや生活支援があれば自立生活ができる期間、90歳からが介護が必要な期間となっています。
内閣府の高齢者の住まいに関する意識調査では、高齢者の66%が、老後もできるだけ自宅で暮らしたいと考え、22%が高齢者住宅や施設に住み替えると考えています。
100歳まで生きるとすると、高齢期の住まいの問題は、どこで誰に看取られるかという問題と深く関わり、自宅で住み続けるのにも、施設や高齢者住宅に住み替えるのにも、覚悟が要ります。多くの人が望むように、自宅に住み続けるとするとそのために必要と思われる10箇条をまとめてみました。
1.自宅が安全であること
(耐震、火災、段差、ヒートショック等に対する安全)
2.緊急時の備えがあること
(緊急通報システム、見守り体制等)
3.判断力があること
(日常生活の判断が自分でできる)
4.自己管理ができる
(食事、運動等で体調管理ができる)
5.サポートしてくれる人がいる
(困った時に助けてくれる親族、お隣さん、友達等)
6.かかりつけ医がいる
7.地域参加ができている
(地域の活動や趣味を通じて仲間がいる)
8.地域の介護・医療体制が充実している
9.ひとりでいることができる
(ひとりの時間も楽しめる)
10.自宅で死ぬ覚悟ができている
(ひとりで自然死することを受け入れている)
いかがですか? 人生100年時代の終の棲家には、居住環境や地域の体制が整っていること、地域とのつながりは、やはり欠かせませんが、同時に、一人でいる時間も楽しめることが、必要だということです。