ジュースによる糖尿病のリスク
ファイバーを含まないジュースやスムージーの形で果物や野菜を摂ると、身体は容易に消化吸収してしまうので、血糖が急激に上昇してしまうことになります。胃腸の中に残る部分がほとんどなくなりますので、満腹感は得られにくくなります。
さらには、この急激な血糖の上昇に反応して、膵臓からインスリンが分泌され、血糖を下げてしまうために、脳内の摂食中枢が刺激されて、またもやお腹が空いてしまうことになります。喉が渇きやすい暑い夏には、大量のジュースを飲んでしまうこともありますので気をつけましょう。ダイエット中でしたら、果物ジュースは一日1杯までとしましょう。
最近の医学研究によると、果物のジュースをよく飲む人は太りやすくなり、糖尿病にもなりやすくなるといわれています。一方で、ブドウやリンゴ、ブルーベリーなどのフレッシュな果物をそのままでたくさん食べている人は、糖尿病になりにくくなります。
有名な哲学者のルソーは、自然に帰れ、と述べました。これは、医学でも進化医学という形で支持されています。狩猟採集の頃、人類の祖先は長い間、果物をそのままフレッシュで食べていました。そのような食生活を何万年も経て適応し進化してきたわたしたちにとって、果物はやはり自然なフレッシュで食べるのがベストですね。
文献
Mozaffarian, D., et al. Changes in diet and lifestyle and long-term weight gain in women and men. N Engl J Med 364: 2392-2404.
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/Nejmoa1014296
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