安倍首相は本当に、米軍の北朝鮮攻撃にブレーキをかけられるのか

arata20171019
 

選挙戦只中の今、自民系候補者の口からよく聞かれる「安倍政権なら他国の脅威から日本を守れる」という主張。果たしてそれは正しいのでしょうか。元全国紙の社会部記者の新 恭さんはメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で、田原総一朗氏が防衛省幹部から入手した「トランプ大統領が北朝鮮に武力行使する可能性あり」という情報を紹介するとともに、平和を死守する空気が希薄な自民党ではかえって危険が増すだけではないかとの見方を示しています。

安倍首相はトランプ大統領の武力行使にブレーキをかけられるのか

メディアの調査を信じるなら、選挙後も「安倍一強が続きそうな気配である。森友・加計疑惑に象徴される政権の体質に国民は倦んでいるはずなのに。

小池都知事は国政のブラックボックスを攻めきれず、安倍首相は悪玉・北朝鮮の核ミサイル脅威を「国難」として、国民を味方につけたということだろうか。

どうやら多くの国民は、安倍首相、トランプ大統領の表面上の蜜月が、北朝鮮の脅威から日本を救うと幻想を抱いているようだ。そして、イージス艦やPAC3のミサイル迎撃システムが本当に有効だと信じ込んでいるのかもしれない。

だが、日米同盟の強化をはかる安倍政権なら日本を守れるという自民党の主張にどんな根拠があるのだろう。むしろ、危険ではないか。いわゆるハト派が影を潜めた今の自民党には、平和を死守する空気が希薄だ。安倍首相の心一つで、この国の命運が決まりかねないのだ。

田原総一朗氏が外務省、防衛省の幹部からこんな情報を得たという。

トランプ大統領が11月4日に来日して安倍首相に会ったあと、北京に向かい、習近平総書記と会談する。その目的について。

年末から来年にかけ米国が北朝鮮に武力行使をする可能性がある。中国には黙って見ていてくれ、ということだ。

たしかに、米韓合同軍事演習の名目で、航空団を搭載した原子力空母や原子力潜水艦、駆逐艦などが朝鮮半島を取り囲むように集結し、金正恩に圧力をかけている。冷静さを金正恩が失えば、暴発しないとも限らない。軍事衝突の危険は増している

しかも中国の習近平は反米路線を転換し、北朝鮮に対し厳しい経済制裁をはじめたところである。北朝鮮から輸入した石炭を大量に返還したのはその象徴的出来事だ。アメリカが北朝鮮と開戦しても、中国は北朝鮮との同盟関係を定めた「中朝友好合作互助条約」を無視して、傍観する可能性が高いといわれる。

外務省幹部は私に、日本としてはそのための態勢をつくらなければならない、できるだけ早く選挙をしたいと言った。防衛省幹部も言っている。

田原氏はそう述べたうえで、なぜこの問題を解散の理由にしなかったのかと指摘する。が、まさか国民に対し「アメリカが北朝鮮と開戦した場合、戦争に巻き込まれるかもしれない。覚悟をしてもらえるか判断を仰ぎたい」と安倍首相は言えないだろう。

選挙に勝てば、米国の軍事作戦と共同歩調をとる安保法制について国民の信任を得たと言い張るつもりではないか。

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