うちの子に限って。学校の平和をかき乱す「毒親」の恐ろしい主張

 

毒ぺの存在

私はモンスターペアレンツを含め、我が子以外に無関心でちょっとした問題が起きると大きく騒ぎ立てる親のことを、「毒親」、略して「毒ぺ」と呼んでいる。

このケースでも、被害者側の母親が隠れ毒ぺ」であったのだ。

学校は早期に対応し、事の顛末を複数の児童から聞き取り、本人らからも事情を聞き取った。そして、双方反省していることから、これを事故として処理しようとしていた。

ところが、被害者側の保護者はそれでは収まりがつかない。 「ハサミで切りつけられたのだ」と一方的に主張を始めた。ハサミの取り合いをしていたことについてなどは、「うちの子はそんなことしない!」で一蹴した。

実は、こういう親は多いのだ。

例えば、PTAや校外委員など、今時の保護者は学校の何らかの役目を担うことが多い。今でこそ、選挙でも教育無償などと政治家さんは謳うが、教員の絶対数は減少傾向であり、教室で子供を見る目となる教員や大人は減っていると言える。だから、苦肉の策として学校は保護者にその不足分の役割を任せるようになってきている。

いわゆる持ち出しありの完全無償奉仕であることから、選択権は保護者にあって、保護者はある程度何をするか、どのクラスや学年をサポートするか選ぶことができるケースがよくあるが、毒ぺはほぼ間違いなく、自分の子がいるクラスや学年にしか興味を示さないし、強いて言えば、自分の子の教育のみを何よりも最優先する。

隣でクラスメイトが死にそうになっていようが、自分の子が元気ならばそれで良しという姿勢がありありと見えるのだ。

そして、我が子が何かトラブルを起こすと本人が認めていようがこれを認容しない

その根拠は、「うちの子がそんなことするはずない!」なのだ。

そのうち、子供の方が親の意見に同意せざるを得なくなっていく。当初は「僕も悪かったよ。」がいつの間にかに、権利強者の被害者へ生まれ変わっていくのだ。

毒ぺの主張

このケースでも、緊急保護者会で、被害児童側の親は、「では、切りつけたということでいいんですよね?」と校長に詰め寄った。校長は小声で否定するが、声の大きなこの毒ぺは容赦はない。

捲したてるように他の保護者に説明をしたのだ。

その内容は下記の通り。

  • うちの子は一方的に切りつけられたのです。
  • 怖くて夜泣きをするくらいです。
  • ハサミに恐怖感を持っています。
  • こんな犯罪行為をする子と一緒のクラスで学ぶなんて無理ですよね?
  • 親も謝罪に来ません。常識を逸脱しています。
  • 学校には厳正な処分を求めます。

しかし、事実と反する説明は学校にはできない。

結局、緊急保護者会は説明があまりないままに終わったのである。

そして、そこで、新たに分かったことがある。

それは、 この毒ぺは各家庭に直接電話をかけ、「とんでもない犯罪行為をする子を排除しましょうと根回しをしていたのだ。

この構図はいじめによく似ている。

いじめは構造理解が進んでおり、多くは、「加害者」「被害者」「傍観者」の3者があり、この傍観者層の中に「囃し立て」「加害支持者」「被害者をフォローする者」「正義漢」があるとされている。構造にはそれぞれ考え方もあるだろうが・・・。

これを「攻撃者(加害者)」「攻撃対象者(被害者)」「傍観者層」と仮定した場合、毒ぺは攻撃者」の位置となり、この件で加害行為をしてしまった児童は攻撃対象者」となる。

根回しで電話を受けているのは、「傍観者層の他の児童の保護者

攻撃者はいかに自分の支持者を集め、事故処理とした学校側の判定を覆そうとするわけだ。この場合、学校は攻撃者から見て「類似攻撃対象者」という位置となるわけだ。

ただ、事実は事実、変更もしようもない。そういう部分は頭のどこかでこの毒ぺも気が付き始めていただろうが、正直なところ腹の虫が治らないというのが本音であろう。

一方、この毒ぺの行動を助長してしまっているのが、 実は傍観者層の事なかれ主義」 なのだ。

おおよそ、こうした毒ぺパーソナルを持った人物は攻撃が激しく、パワーもあるから、根回しも強めなのだ。だから普通の平和を愛する親は、こうした人物に意見して揉めたくはないと考える。

だから、根回しの電話があっても、「それは大変ねぇ」と言って話を合わせてしまうのだ。

ただ、これは致し方のない対応なのだろう。私も面倒だなと思いつつ、そういう対応をするかもしれない。

ただ、これを受けると、この攻撃者は色々な人が支持してくれていると勘違いを起こしやすいのだ。人によっては真に受けて、攻撃者の話を信じ、一緒になって攻撃を始める者も出てくるであろう。

いわゆるヒステリックデマは、熱が高いほど、感染する者も出やすいのだ。

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