東芝など大手6社の調査で判明した「昇進の条件」が恐ろしい

 

いずれにせよ「無責任なヤツほど出世する」という結論は海外の多くの研究で示されていて、米国ではその責任感を個人のパーソナリティ特性と明確に位置づけ、「他責型」と「無責型」に分けるのが一般的です。

具体的には、

  •  他責型は「人を責める」「人のせいにする」タイプ
  •  無責型は「自分の関わりを否定する」タイプ

です。

米国企業のトップの7割はこのどちらかに属するとされ、他責型の事例としてよく取り上げられるのが、BP(石油会社のブリティッシュ・ペトロリアム)の元CEO トニー・ヘイワード氏

BP社といえば、2010年4月にメキシコ湾沖合80km、水深1522mの海上で海底油田の掘削作業中に、大量の原油をメキシコ湾へ流出させるという大規模な事故を起こした企業で、このときの事故で11人の作業員が死亡。全米を震撼させる大惨事となりました。

当時CEOだったヘイワード氏は事故直後に「一体、どうして我々がこんな目にあうんだ」と報道陣の前で嘆きフルボッコにあった。それでも一向に態度を改めることなく、徹底的に責任を否認したのです。

事故2週間後には、「メキシコ湾は広大だ。海全体の水の量に比べれば、流出した石油と分散剤の量など微々たるものだ」
と発言し、科学者たちが「部分的に溶解した原油が、海中を浮遊する様子」を捉え、責任を追求するも、「汚染物質などない。科学者はおかしい」と反論。どこまでも他者を責め続けました

一方、無責型の事例として上げられるのが、ヒューレット・パッカード社史上最悪のCEOと揶揄されたカーリー・フィオリーナ氏。彼女は “ガラスの天井”をぶち破ってきた自他共に認めるエリートで、会社が倒産する数日前「自社のバランスシートは健全」と公言しました。

しかしながら、経営は悪化の一途をたどり、挙げ句の果て辞任。

過剰な人員削減や安易な戦略が「企業を衰退させた」と大批判され、“全米至上もっとも無責任なCEO”とも呼ばれています。

その他にも、倒産後も責任を否定し続けた老舗投資銀行ベアー・スターンズ のCEOアラン・シュワルツ氏も、嘘つきで傲慢な「無責型」に分類されています。

こういった事例からおわかりのとおり、無責任な人たちは度々嘘をつきます

しかしながら彼らには、「嘘をついている」という罪悪感はいっさいありません。

私たちは「嘘をつき、責任を回避すると、イヤな気持ちになる」と考えがちですが、実際には嘘を貫き通すことができると、次第に“チーターズ・ハイ”と呼ばれる高揚感に満たされ、どんどんと自分が正しいと思い込むようになってゆくのです。

image by: Shutterstock

河合 薫この著者の記事一覧

米国育ち、ANA国際線CA、「ニュースステーション」初代気象予報士、その後一念発起し、東大大学院に進学し博士号を取得(健康社会学者 Ph.D)という異色のキャリアを重ねたから書ける“とっておきの情報”をアナタだけにお教えします。
「自信はあるが、外からはどう見られているのか?」「自分の価値を上げたい」「心も体もコントロールしたい」「自己分析したい」「ニューストッピクスに反応できるスキルが欲しい」「とにかくモテたい」という方の参考になればと考えています。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』 』

【著者】 河合 薫 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 水曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 東芝など大手6社の調査で判明した「昇進の条件」が恐ろしい
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け