直後、一連の騒動で喉の乾きを覚えた筆者は、ゲートから一キロほど離れたファミリーマートでドリンクを買い、車内で一気に飲み干し、ホワイトハウスの担当者にいきさつを電話していた。
「NOBORDERとあなたを外せというのは日本政府からの強い要請なんだ。日本以外ではきちんと対応するよ」
驚くだろうが、これが記者クラブと政府の現実だ。そして、筆者は20年間、ずっとひとりでこうした「卑怯」と戦ってきた。時に涙を流し、時に誰かに訴えながら。
知らない者はみな「陰謀論」で片付ける。知っている者は先述した通りだ。
さて、エンジンをかけようとした時だ。警察官が3人近寄って来て、筆者のクルマの窓をノックした。
「上杉さんですね。事情を聞かせてください」
ナンバープレートか、尾行か? これもいつものことだ。
それにしても、コンビニの駐車場でドリンクを飲んでいてもダメなのか。
記者クラブと外務省の「マッチポンプ」を説明すると、警官たちは驚いていた。
「この20年間、警察庁と警視庁はいつもよくしてくれました。みなさんと同様、現場で苦労する者の苦しみがわかっているからですよね。でも、日本のメディアと外務省や官邸の役人は違いますよ。いつも威張って、弱き者の仕事の邪魔をし、手柄は自分、失敗は部下に押し付けるような卑怯なことを続けている。みなさんが出世したら、汗をかいた者が評価されるようなフェアな社会にしてください。おつかれさまです。もう1本だけ電話をさせてください。そしたらクルマを出しますんで」
日米メディア比較…。報道だけではなく、人間性でも圧倒的な差があることを茂木さんに伝えたい。
image by: Twitter 上杉隆/ UesugiTakashi(@uesugitakashi)