一生忘れない。ようやく目覚めたトランプが再び中国の策に落ちた訳

 

日本は、細心の注意が必要

こういう状況下で、「インド太平洋戦略を日本が主導するのは大変危険です。この戦略の参加国は、日本、アメリカ、インド、オーストラリア。しかし、アメリカ、インド、オーストラリアは迷っている。ここで総理が、戦略を主導すれば、「笛吹けど踊らず」状態になり、日本が孤立する可能性が高まります。では、どうすればいいのでしょうか?

ダイヤモンドオンラインにも書きました。まず、「インド太平洋戦略主役をトランプ大統領にすることです。私たちが願っているのはあくまで、「アメリカを中心とする対中バランシング同盟」です。アメリカ抜きで、日本単独で中国と戦うことではないのです(日本一国で戦っても勝てません)。

もう一つは、中国への挑発、批判は控え、米中関係と日中関係を同レベルにすることです。つまり、日中関係は、米中関係程度に改善される必要がある。(しかし、常に 日米関係 >>> 日中関係 であることを忘れてはなりません。これをやめると鳩山時代のように、ひどいことになります)。

というわけで、「リアリズム戦略」は、うまくいっていません。それで、日本は、この型にこだわることなく、柔軟に対処していく必要があります。

客観的にみれば、日本は今とてもすばらしいポジションにいます。日米関係、日印関係はとてもいい。日欧関係、日ロ関係もいい。オーストラリア、ベトナム、フィリピンなどとの関係もいい。結果、中国は尖閣侵略に動けず、日中関係も改善されています。この状態を維持できれば、日本は「戦わずに中国に勝つ」ことができるでしょう。

image by: Michael Candelori / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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