賢い会社はもうやめている。不毛な「ビッグデータ分析」の現実

 

成長企業はセリアから何を学ぶべきか?

ビッグデータ分析という言葉が流行っています。

特に、インターネットでの販売をしている企業は、アマゾンや楽天を真似て、「顧客データが重要だ」「分析をしなければ!」と意気込み、多くのデータを取ろうとしがちです。

しかし、データはあくまで分析のためのツールの一つでしかありません。重要なことは、「平時とは異なる異常値に気づき収益をあげるためにどのようなアクションを取るべきか」ということです。

したがって、顧客分析やデータ収集においては、何でもかんでも数字を集めて、そこから何かを探し出そう、という演繹的な考え方よりも、売りの現場に出向き、

「平時と異なる異常値を発見すること」

「そこから気づきを得ること」

「次のアクションにつなげること」

という帰納的なアプローチの方が、顧客の本音(=インサイト)の発見につながりやすく、ひいては競争優位の源泉になる、独自性を持つ製品開発につながります。

また、この根底には「戦略はやめること」という考え方があります。

企業が持つ、ヒト・モノ・カネ・情報・時間という、経営資源は全て有限です。

経営資源を効率よく活用するためには、やめること、すべきでないことを決め、厳選した戦略の中から、優先順位を決める、選択と集中が不可欠です。

その意味でも、セリアがやめた顧客データから性別と年齢を削除する決断に学ぶところは多いと言えます。

image by: MAG2 NEWS

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