老後も働くなら年金をカット。65歳以上を悩ます「年金停止問題」

 

年金停止額はどうなるか。まず、停止額を用いる場合は老齢厚生年金の経過的加算97,500円を除いた1,138,792円(月額94,899円)を使う。配偶者加給年金や老齢基礎年金は含まない

  • 停止額→{総報酬月額相当額(22万円+25,000円)+年金月額94,899円-支給停止調整額46万円}÷2=0円

支給停止調整額というのは物価や賃金変動で毎年度変わる。前年度は47万円だったが今年度は46万に下がって停止基準が厳しくなった。つまり、総報酬月額相当額と年金月額合わせた額が46万円以下だから年金停止額は無し。よって、65歳到達月の翌月(平成30年1月分)以降の月収入は給与215,000円+年金月額192,174円=407,174円となる(税金を考慮してないのでご注意下さい)。雇用保険からの高年齢雇用継続給付金は65歳到達月分までの支給で終わる。

また、配偶者加給年金は妻が65歳になると消滅して、代わりに振替加算が妻の老齢基礎年金に付く(振替加算は配偶者の生年月日が昭和41年4月1日以前に限る)。

加給年金と振替加算額(日本年金機構)

※追記

70歳まで厚生年金に加入できるので、70歳時にまた65歳から働いた分が老齢厚生年金に加算される。なお、70歳になる前に辞めたら退職日の翌月から年金額が再計算される(退職時改定)。今回は65歳以降は年金停止は無かったですが、報酬比例部分の年金(105万円+88,792円の所)が全額停止するような場合は配偶者加給年金も全額停止になる。

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
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