【時事英語】慰安婦像問題で「日本の言い分」が世界で通用しないワケ

 

そのためには、「フィードバックの文化」というテーマを考えるべきです。

距離があり、文化背景も異なる人に「日本の言い分」を伝えるには、常に問題がおきたその場でマメに相手に情報を提供するというスタンスが必要なのです。

慰安婦問題の場合は、パク政権のときに日本政府と合意があった時点で、アメリカ社会にしっかりとメディアを通してその真意を伝えるべきでした。

また、それ以前に日本政府が行ってきた「過去の過ち」への謝罪や、平和への努力を、その都度しっかりと韓国のみに対応するのではなく、アメリカの世論、世界の世論に根付かせるように努力しなければなりませんでした。

その上で、何か誤解があるなと意識した瞬間に、その誤解について具体的に指摘する努力を積み重ねるべきだったのです。

このフィードバックの積み重ねが、日本側から行われていれば、問題はこじれることなく収拾に向かったはずです。

とかく日本人は、何か気に障ることがあった場合、心の中にそれを溜めたまま、自らの思いを主張することを怠りがちです。

日本人の間であればそれは構わないのですが、英語圏で自らの意志を伝える場合、思ったことはその都度こまめに相手にフィードバックすることが大切なのです。

外交上の問題でも、ビジネス上の課題でも、課題を溜めておいて、ある段階で一度に語ろうとすることは最も避けたいことなのです。

まして、ある程度以上不満が溜まったときに、感情的な対応をすればさらに誤解の溝は深まります。

大阪市長の対応はロジックのない感情論と誤解されかねません。

何が課題で、それに対してどのように対応したのか、その都度冷静なメディア対応を継続し、関係者との話し合いを怠らないことが肝要です。

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