習近平が主導する「トイレ革命」に世界が絶望するこれだけの理由

 

私が初めて社会主義国家のトイレを体験したのは、モスクワでしたが、東欧では警察にトイレまで尾行された経験もあります。

トイレは伝統文化の代表として、故宮博物館にも皇帝や皇后用の黄金の馬桶(マートン、おまる)が展示されています。道教の神々はカマドの神、カワヤの神などがおり、人間の日常生活の隅々まで目を光らせて監視するスパイであり、いちいち天帝に告げ口するのが仕事となっています。

中国は、あるべき仁義道徳は語りますが、衛生についてはほとんど一言も触れません。トイレの神まで人々の一挙手一投足に目を光らせる社会なのです。日本の神々が天照大神まで自ら織物をつくり、民とともに働き、恵みを与えるのとは対照的です。

習近平の「トイレ革命」も、かえって中国の水質や衛生環境を悪化させる可能性があります。習近平は政治から文化に至るまでを牛耳ろうとしていますが、「トイレ革命」が難しいのは、中国の文化・伝統とまったく逆だからです。それだけに「革命」なのかもしれませんが、かつて「四害退治」を目指したものの、それどころか世界一ひどい環境汚染の国になってしまった実績」があるだけに、ほとんど不可能でしょう。

そもそも、中国は中世ヨーロッパの黒死病をはじめ、世界のさまざまな伝染病の発生源となってきました。近年のSARS、鳥インフルエンザなども同様です。

習近平の「トイレ革命」が中国の環境にどのような影響を与えるのか、世界的な大問題でもあります。

すでに中国は環境汚染によって「人の住めない国」になろうとしています。「外華内貧」が中華世界の特質であり、メンツや外面ばかりを大事にするため、本質は置き去りにされてしまうのです。

大気汚染が深刻な中国では、空気がきれいな海外に出かけることを「洗肺遊」「換肺遊」(肺を洗う、肺を取り替えるツアー)と言われていますが、水も土壌も汚染されつづけることで、いずれ「洗胃遊」「換腸遊」も出現してくるかもしれません。

今回のまとめ

  • 習近平国家主席の号令の下、中国で「トイレ革命」が2015年より開始
  • 中国ではかつて毛沢東氏による「除四害運動」が失敗に終わっている
  • 今回の「トイレ革命」が中国の環境にどのような影響を与えるかは世界的な大問題

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※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2017年11月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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2017年11月分

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黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実』(2017年11月29日号)より一部抜粋

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