なぜ、こんなことになってしまったのか?
背景には、路線の拡大に加え、生産性を高めるためにジャンボジェットの3分の1程度の座席数で、燃費効率のいい航空機を大量に購入し、便数を増やしたことが影響しています。
そこにLCCの台頭。しかも世界中で予想以上に増え、2030から2020年に前倒しされたのです。
確かに世界中いたるところでLCCだらけになり、小型の中距離飛行機も増え、路線も急増……。
これじゃあ、パイロットが足りなくて当たり前です。。
おまけにパイロットの労働環境も大きく変わり、かつてほどの人気商売ではなくなりました。
航空会社は月間乗務時間を延長し、渡航先の宿泊数を削減。
ミニマムクルー(最少乗員数)の基準も変え、インターバル(休憩)をなくし、夏休みを廃止。
さまざまな手当も廃止され、給料も激減したのです。
米国ではマックの時給より低いLCCもあるほどです。
「もともともらい過ぎだったんだからいいじゃん」という声も聞こえてきそうですが、厳しい勤務状態は事故に繋がる由々しき事態です。
「9時間フライトは休憩なしの2人乗務で、これはかなりしんどい」
「日本は11時間フライトまで交代要員のいない2人だけの乗務できる」
「2泊4日だった成田─シアトル・サンフランシスコ線が、1泊3日になった」
などなどパイロットたちは悲鳴をあげています。
しかも、最近は中国系エアラインが高額の給与を提示し、引き抜きを行なっているとのウワサがアチコチから聞こえてきました。
「結構な額を提示されるみたいで、賃金の安いLCCだけでなく、大手のエアラインでも引き抜かれてる。マジでパイロット不足どうするんだって感じ。やばいですよ」(航空会社勤務の方の証言)
それでも埋まらない“穴”を埋めるために、賃金の安い外国人パイロットを採用し、LCCなどではコストのかかる自社育成はできないので、大学などにパイロット養成を任せたり、アウトソーシングでパイロットを確保するエアラインも出てきてます。
なんとも……。