戸惑う日本人。あまりにも違いすぎる米国人の運転マナー事情

 

外国の運転事情

今から17年前、僕が渡米して最初に住んだ街はロサンゼルスでしたが、ロサン人(ロサンゼルスの住民)達の運転の仕方に驚いたものでした。以前メルマガにも少し書きましたが(バックナンバーVol.096)、おばあちゃんが僕の車を後ろからものすごい勢いで煽ってきて、そしてオーバースピードでコーナーに突っ込み、曲がりきれずに対向車線にはみ出して、ふらつきながら走行車線に戻った恐ろしいおばあちゃんのエピソードです。基本的に、ロサン人は日本人と比較すると走行スピードが速いです。そして、加速もいつもフル加速です。信号が青になるとアクセルをガバッと踏み込むのです。皆が毎日信号レーサーのようです。

しかしロサン人にも弱点があります。それは雨です。一年間のうちほとんど雨が降らないロサンゼルスなので、雨が降るとロサン人は超フリークアウト(ビビって)しまうのです。高速道路を普段は時速120キロで走るのに、雨が降ると突然70キロ以下まで減速してしまうのです。もちろん、雨の日は路面が滑るし視界も悪くなるので、普段よりも速度を落とすべきですが、ロサン人は晴れた日と雨の日のスピードの差があまりに激しいのです。雨が降ってきただけで、まるで吹雪にでもなったような大騒ぎになります。

一方、シアトルはロサンゼルスやNYと全く運転の習慣が違います。雨の多いシアトルでは、雨でも晴れでも高速道路を同じ速度で走ります。雨の日にはもうちょっと速度落とそうよ」と言いたくなるほどです。他にも特筆すべきは、信号を無視しないのです。「それって、あたりまえやん!」と皆さん思うかもしれませんが、NYでは車が来なければ信号無視をするし、信号が変わる前に見切り発進もするし、すでに赤なのに突っ込んで来る車が多いのです。信号無視した車に何度も危ない思いをさせられた僕は、ボーリングの玉でも持ち歩いて信号無視をしてきた車の窓に投げてやろうかと思った(思っただけです)こともありました(笑)。ということで、NYカーはとにかくせっかちなのです。

一方でシアトライト(シアトル人)は周りに車がいなくても信号が赤だと停車し続けます。日本人からしたら当たり前なのですが、そんな「過度に真面目なシアトライト」は時々ほかの都市の住人にからかわれます。また、シアトライトは親切心からすぐに道路を譲ろうとします。譲ってくれるのは有難いのですが、後方から車が来ているのを無視して側方の車に道を譲ろうとする人も多いので、逆に危険なこともあります。さらに、横断歩道がない路上を歩行者が渡ろうとすると突然停車する車も多いのです。でもこれ、けっこう怖いのです。前の車が突然信号もないのに突然停車すると、後ろを走っている身としては無理やり急停止させられるのでびっくりします。また、僕は「シアトルポーズ」と呼んでいますが、信号が青になってもすぐに発進はしません。一回深呼吸してから発進をするのです。NYでそんな運転をしようものなら、後続の10台に一斉にクラクションを鳴らされることでしょう。「瞑想は家に帰ってからやれ!」と怒鳴られても不思議ではありません(笑)。

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