恐怖心でいうことを聞かせてもダメ。成長を止めるNGな叱り方

ishimaru20171212
 

部下や子どもが自分の言うとおりに行動しないとき、あなたはどのように対応していますか? 大きな声で怒鳴ったり、激しく叱責したり、恐怖心によって言うことを聞かせようと考える方も少なくないのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では、著者で長く人材育成に携わってきた石丸智信さんが「恐怖心によって押さえつけても、部下や子どもは本当の意味では成長しない」として、自発的な成長を促す言い替えの例を紹介しています。

恐怖心によって、人は、主体的、自発的に行動できるのか

企業の経営者をはじめ、組織のリーダーの立場にある方々のお話しを聴くと、部下であるメンバーに対して、自らが考えて、判断、決断し行動できるような、主体的自発的自立・自律型人財を求めているように思いますし、育成しようともしているように感じます。その反面として、リーダーがメンバーに対して、様々なことについて指示や命令を出すことで、正確にそして迅速に行動して欲しい、という思いもあるのではないでしょうか。

一見すると、二律背反のように見えるテーマを踏まえて、「恐怖心によって主体的自発的自立・自律型人財を育成できるのか」という切り口で考察していきたいと思います。

では、リーダーがメンバーに対して指示、命令などを出す場面において、メンバーが指示や命令などとは違った行動をしたとしたら、その時、リーダーはどのような対応を取りがちでしょうか。例えば、「何やっているんだ!」「指示と違うじゃないか!!」などといったように、怒りつけたり、怒鳴りつけたりして、メンバーに対して何らかの罰を与えてしまいがちではないでしょうか。

こういったリーダーからの圧力は、部下であるメンバーから見ると、怖さ恐怖心を持ちます。そこで、リーダーは、メンバーに怖さ、恐怖を感じさせることによって、部下を行動させようとしてしまいます。その結果として、そのメンバーは、どのような人財になってしまうでしょうか。リーダーからの指示や命令だけを忠実に守り、行動するようなメンバー、いわゆる、指示待ち的な人財になってしまうのではないかと思います。

では、こういった受け身な姿勢であるメンバーが、リーダーから言われた仕事をしっかりできたとして、はたして、そのメンバー自身は成長したことになるのでしょうか。そして、今後、主体的、自発的、自立・自律型人財へと成長していくことは可能でしょうか。

たしかに、上司であるリーダーの目の行き届くところ、圧力を掛けることができるところでは、しっかりとした仕事をするので、一見すると、成長しているように見えます。見方によっては、そのメンバーが、主体的、自発的に動いているように見えるかもしれません。ですが、リーダーの見えないところであったり、リーダーからの恐怖心を感じないところでは、メンバーは、主体的、自発的に行動することができないことも考えられます。

リーダーからのプレッシャーなどにより、メンバーに恐怖を感じさせ、行動へと駆り立てていくという手法は、短期的に見れば、メンバーを成長させているように見えますが、長期的には、メンバーの成長は止まっていくことになるのではないでしょうか。

ここまで、企業などの組織におけるリーダーとメンバーとの関係を例にして、考察してきました。引き続き、同テーマについて、こどもたちと親御さん、習い事の先生、スポーツの監督・コーチなどとの関係を例として、考察していきたいと思います。

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