沖縄に手を出してきた中国の「一帯一路」、狙いは本土との分断か

 

同国ではこのところ、二重国籍問題で議員が辞職する事件が重なり、与党は過半数割れとなり、タンブル首相の支持率は急落していました。そこへきて、中国共産党の浸透工作も明らかになったことで、さすがにタンブル首相も手を打たざるをえなくなったのでしょう。こういったニュースは日本の主要メディアではほとんど報じられていません

言うまでもなく、日本列島以南の沖縄、台湾、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドまでは、中国が太平洋に出るための第一列島線にあたり、中国の勢力拡大のための戦略的地域にあたります。沖縄から米軍を追い出し、日米豪の連携を乱せば、台湾も南シナ海も手中に収めることは容易となります。

沖縄では米軍の不祥事ばかりが喧伝されますが、逆に米軍が日本人を助けたといったニュースは意図的に流されません。先日も、沖縄の高速道路での多重事故で、日本人を救出した海兵隊曹長が後続車にはねられて重体となるニュースがありましたが、沖縄2紙は、彼が日本人を救出するという英雄的な行動を取ったために、2次的な事故に巻き込まれたことにはまったく触れていないそうです。

危険顧みず日本人救出し意識不明の米海兵隊員 元米軍属判決の陰で勇敢な行動スルー

あくまで「米軍=悪」でなくてはならないというのは、中国の思想戦と軌を一にしています。沖縄のメディアもオーストラリアと同様、中国にとって都合の悪いことは報じてはいけないという「プレスコード」があるのかもしれません。

台湾の状況を見てきた私は、これまで日本人に対して中国の浸透工作について警告し続けてきましたが、それに対する多くの反応は、「そんなことがあるはずない」「台湾と日本は違う」というものでした。しかし、オーストラリアを見れば、その反応がいかに的外れだったかがわかります。

私は以前、オーストラリアで情報関係者から、同国には中国人の諜報工作者が2,000人はいると聞いたことがあります。日本ならば、数万人の工作者がいてもおかしくないでしょう。現在、ニュージーランドだけでも約6万人の中国人が殺到しているといいます。そのため、反中国共産党の法輪功も、活動の場を失ってしまいました。

ちなみに、台湾のメディアも、中国資本が多く入り込んでいます。それでも台湾にはホテルなどに中国の侵攻に備えた設備が設置されており、中国への警戒心がつねに喚起されます。しかも、傍若無人な中国人観光客に対する反発も強い。だから中国資本のメディアも、簡単には親中ムードを演出することができません。しかも数年前に「ひまわり学生運動」があったばかりです。

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