2017年の世相を最も反映した「今年の一皿」に選ばれた鶏むね肉料理。高タンパク・低脂肪のヘルシー食材ということで人気となっていますが、加熱するとパサパサになってしまうという欠点も。プロの料理人の方はその難点をどうクリアしているのでしょうか。今回の無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』では著者の現役板前・gatugatu佐藤さんが、ジューシーな鶏むね肉をいただくための秘訣を伝授しています。
やわらか! 鶏むね肉のピリ辛赤だれガッツリ丼!
佐藤です。鶏肉を茹でて、それを切ってどんぶりごはんにのっけて「たれ」をかけるだけの「簡単どんぶり、鶏むね肉のピリ辛赤だれガッツリ丼」を紹介します。
脂肪分が少ない鶏のむね肉は、高温でぐらぐらと煮えたぎらせて茹でたり、長時間いつまでも茹でていたりするとパッサパサになり、かたゆで卵の「黄身」のような食感になります! こうなってしまったら、どんだけタレがおいしくても、失敗して食えなくなった料理と同じです。
しかし、低温で茹でるとやわらか~いジューシーな鶏むね肉にすることできます。それはなんでか?
肉のタンパク質は62℃を超えると凝固しはじめて、さらに68℃を超えてくると、細胞内から水分が排出される「分水作用」という現象がおきます。だから、高温で調理すると肉は硬くなり、水分が抜けてパサパサになるのです。ですからそうならないように低温の68℃に近い温度で沸騰させないようにして熱を通す調理法を使うわけです。
それでは、その方法を説明していきます!
レシピ
【材料】
- 鶏むね肉…200g
- 刻み海苔…適量
- 刻みネギ…適量
- 塩…少々
《ピリ辛赤ダレ》
- キムチの素…40g
- 砂糖…10g
- 白胡麻…適量
1.鍋に鶏むね肉を入れ、鶏むね肉が完全に漬かるくらいの水を入れます。
塩を小さじ1杯ほど入れ、弱火にかけます。
2.水が熱くなってくると鶏肉から「あく」が出てきますのですくい取ります。
沸騰する前に火を止めます(沸騰の気泡が出始めるくらい)。そのままの状態でおいておき、余熱で鶏肉の中心まで熱を通します。自然に冷まします。
3.鶏むね肉を茹でている間に「赤ダレ」を作ります。
ボウルに赤ダレの調味料を全部入れよく混ぜます。砂糖のジャリジャリ感がなくなったら白胡麻を混ぜて出来上がりです。
4.完全に冷めたら、まな板で5mmくらいの厚さに切ります。
もし、切ったときに中心が赤く、熱が通ってないようでしたら、お皿に入れラップをして10秒~20秒電子レンジで熱を通してください(温めすぎるとパサパサになります!)。
5.どんぶりにごはんを入れ、刻み海苔を散らし、その上に鶏むね肉を盛ります。
ピリ辛赤タレをかけて、刻みネギをのせたら完成です!淡白であっさりしている鶏むね肉には、ピリ辛赤タレがピッタリです!
ヘルシーでやわらか~い鶏むね肉を食べたくなったらこの料理作ってみて下さい!
低温調理(茹でる)は、「絶対沸騰させない!」がコツです。それと、低温調理で使う材料は、鮮度の良いものを使ってください!