新宿ドン・キホーテにはなぜ、「外国人」がどんどんやって来るのか?

 

業績を下支えしているのが免税売上高です。14年10月から、従来免税販売の対象となっていなかった食品や飲料、医薬品、化粧品といった消耗品が新たに免税対象となったことが追い風となりました。直後の14年10~12月の店舗売上高に占める免税売上高の比率は2.6%しかありませんでしたが、17年7~9月には6.9%にまで高まっています。

ドン・キホーテにおける訪日客の存在感は年々高まっています。東京・新宿にある「ドン・キホーテ新宿東南口店」を訪れるとそのことがよくわかります。同店は今年7月、世界一の乗降客数を誇る新宿駅東南口から徒歩1分の場所にオープンしました。

とある日の同店は買い物かごを持った外国人と思われる客で賑わっていました。売り場のいたるところで外国語が飛び交っていたのです。かごに菓子やペットボトル飲料などをつめている外国人もいれば、化粧品をたくさんつめている外国人もいました。

同店は高速バスターミナル「バスタ新宿」に近いこともあり、日本各地を旅行する前に同店で買い物する訪日客が少なくないようです。もちろん、旅行中や帰国前の人もたくさんいます。そういった人たちが買い物しやすいよう、荷物を預けられる有料のロッカーを店内に設置しています。

訪日客向けの売り場も充実しています。土産物コーナー、駄菓子コーナー、抹茶コーナーを特別に設け、お土産需要の掘り起こしを図っています。また、近年外国人の間で評判が高まっていて同店の近くにも出店しているラーメン店「一蘭」のインスタントラーメンのコーナーもあります。

こうしたことからわかるとおり、訪日客の取り込みを狙って売り場がつくられているわけですが、今のところそれは奏功しているようです。同店の7~9月の免税売上高の構成比は33.0%(全店平均は6.9%)にも上ります。

さらに上をいく数値を叩き出している店舗もあります。大阪にある道頓堀御堂筋店と道頓堀店です。16年7月~17年6月の免税売上高の構成比は道頓堀御堂筋店が59.6%道頓堀店が56.3%にもなります。構成比ランキングはそれぞれ堂々の1位と2位です。しかも両店の距離は300メートルもなく、道頓堀御堂筋店は、道頓堀店がさばききれなくなるほど多くなった訪日客の受け皿として15年6月に誕生したという事情があります。それでも両店とも60%前後にも上るというから驚きです。

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