炒め物といえば「強火で手早くが基本」とよく聞きますが、少なくとも家庭で野菜炒めを作る際は当てはまらないようです。今回の無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』では著者でプロの料理人・gatugatu佐藤さんが、中華屋さんのシャキシャキ野菜炒めを自宅のキッチンで作るコツを伝授しています。
ほど良い食感!白才野菜炒め
佐藤です。今回は、「野菜炒めを美味しく作るための真の方法」を伝授します。
フライパンで作れる料理で一番に思いつくのは「野菜炒め」ではないでしょうか? 野菜を数種切って、肉を加えて炒めるだけ。比較的短時間で調理でき、気楽に作れますよね。野菜をたくさん食べたい、簡単なおかずを作りたい時に「野菜炒め」は有効な料理になると思います。
ですが、これ作った時にこのような経験はないでしょうか?
- 野菜がベタッとなって歯応えがない
- 水分がすごく出て、水っぽい味になった
- 野菜の甘味、旨味があまり感じられなかった
これ実は、炒め物の王道と言われる方法で作ってしまうから…。おそらく見たり聞いたりしたことがあると思います。「終止『強火』で手早く!」。実はこれ家庭で作る際には向いていません。中華料理屋さんだから、出来る技。本場中華料理の火力と家庭の火力はやはり違います。同じように作っても上手くいかないわけです。
実は、「弱火」。野菜は、中途半端な高温で炒めると水分が出やすくなり、旨味、甘味も逃げてしまう。ですから、野菜の歯応えを感じる、旨味、甘味の強い美味しい「野菜炒め」は、「弱火」で作る必要があるのですね。
弱火で炒めることで、水分が必要以上に出ることがなく、旨味甘味を残すことができます。家庭で作る野菜炒めは「弱火」ということです。これを重要ポイントにして作って頂きたいのが、「ほど良い食感!白才野菜炒め」。もやし、にんじん、豚肉など定番の野菜炒めの材料で作るシンプルな炒め物。
で、キャベツを定番で使うことが多いですが、これを「白才」で。シンプルな野菜炒めですが、「弱火」の方法で作ると中華屋さんで食べるような野菜炒めにレベルアップします。
私自身も「強火」で作るのが当たり前と信じていましたが、実は違っていたのですね。「弱火」を取り入れてからは、「野菜いためってこんなに美味しかったっけ?」と思えるほどに変化しました。詳しい作り方は、レシピをご覧下さい!
レシピ
【材料】
- 白才…大2枚(200g)
- もやし…1/2/P(100g)
- えのき…1/5束
- 豚細切れ肉…50g
- 胡麻油…大さじ1/2杯×2
《タレ》
- 濃口醤油…大さじ1杯
- 酒…大さじ1/2杯
- 片栗粉…小さじ1杯
1.もやしは流水で洗って水気をよくきっておきます。
2.白才は、葉と茎を切り分け、茎は斜めの1cm幅に、葉は4~5cm角に切ります。
3.えのきは、根元を切り落とし、1本ずつに、ばらして二等分に切ります。
4.ニラは4cmの幅で切ります。
5.人参は縦二等分にして、少し斜めで薄くスライスします。
6.豚細切れ肉は、切れ方が大きい場合は手で小さくちぎって下さい。
※人参、白才の茎を先に炒めるので、写真のように分けておくといいと思います。
7.タレの調味料を合わせます。
ボウルに片栗粉、酒を入れて混ぜた後、醤油を加えてさらに混ぜておきます。
8.炒めていきます。
もしあれば中華鍋型のフライパン。フライパンを強火で30秒熱し、油を入れて全体に広げたら弱火にします。15秒ほどおいて少しフライパンを冷まし豚肉を入れて炒めます。豚肉を入れる際は、ばらして入れて下さい、固まりで入れるとなかなかほぐれず熱の通りが均等にならないので。
9.豚肉に9割ほど熱が通ったら少~し赤い部分が残っている程度で火を止め、ボウルなどに取り出します。
10.火はまだつけません。フライパンに白才、人参を入れて胡麻油大さじ1/2杯を入れて混ぜます。全体にしっかり胡麻油を絡めたら火をつけ、弱火(やや強い弱火)で炒めていきます。
11.2分間隔くらいで混ぜる程度であまり混ぜすぎず、蒸し焼きのようにしながら熱を通していきます(8~10分)。
12.白才がある程度軟らかくなったら、残りの野菜を入れます。
油を絡めるように全体に混ぜます。弱火のまま、同じように炒めていきます。白才の葉がしんなり軟らかくなったら《タレ》をぶっかけます(入れる前に混ぜる)。強火にして、全体にタレを絡めるように混ぜます。
14.タレが絡まり、とろみが付いたら出来上がり! 火を止めます。平皿に盛って完成です。
レシピ通りの方法を実践して頂ければ、ベタッとした野菜炒めではなく、野菜の歯応えを感じる食感のいい美味しい野菜炒めが作れます。今、冷蔵庫にある野菜でも応用できますので、是非やってみて下さい。
例外もありますが、大方の炒め物料理は「弱火」と覚えておけばいいと思います。