実は損してない?「宿直」と「夜勤」は全く別物で賃金も全然違う

 

深田GL 「宿直の許可についてですね。労働基準法に定めのある『宿直勤務』というのは、当外事業場に宿泊して行う定時的巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態の発生に対処するための準備などを目的とする勤務とされています。この内容を踏まえて、許可を受けるためには、要件があって、全てを満たしておく必要があります」

K社社長 「条件があるというわけですね」

深田GL 「はい、5つ言いますね。
     1.常態として、ほとんど労働をする必要のない勤務であること
     2.通常の労働の継続でないこと
     3.相当の睡眠設備が設置されていること
     4.宿直手当が支払われていること
     5.宿直が1週間に1回以内であること」

K社社長「1週間に1回? それは、全く違うね。うちは、夜勤の人は毎日勤務だわ」

深田GL 「K社さんは、法定労働時間内の話だと思いますので、宿直ではなく、夜勤ですね。今お伝えした、これらの5つの要件を全て満たし所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合のみ宿直勤務を行わせることができるのです」

K社社長 「許可っていうのは、難しいのかい?」

深田GL 「どのような『宿直勤務』であれば許可を受けられるかですが、1.通常の勤務時間の拘束から完全に開放されたものであること。つまり、通常の勤務態様が継続している場合は、勤務から開放されたとは言えないので、その間は『宿直勤務』とはみなさず、通常の労働の延長と判断され、時間外労働にかかる割増賃金の支払対象となります」

K社社長 「へぇ~、気をつけなければいけないね」

深田GL 「2.夜間に従事する業務は、ほとんど労働のないことを要件としますが、このほとんど労働のないという中には定時巡回及び電話応対等軽度の又は短時間の業務に限っては含んでかまわないとされています。業務が頻繁に行われ、長時間に及ぶときは、『宿直勤務』とはみなされません」

K社社長 「電話が頻繁にかかるようではダメだということだね」

深田GL 「はい、そうですね。3.夜間に十分な睡眠がとりうること。これも大事な用件です。仮眠もソファなどではなく、しっかり眠れる場所があるかのチェックが入ります」

K社社長 「いろいろと厳しいんやね」

深田GL 「これらの内容を十分に熟知して『宿直勤務』を行わせないと許可が取り消しされることもあります」

K社社長 「そうなんだ、取り消しね~」

print
いま読まれてます

  • 実は損してない?「宿直」と「夜勤」は全く別物で賃金も全然違う
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け