楽天、その手があったか。遅すぎる携帯参入を挽回する秘策とは?

 

それは「MVNOとしてNTTドコモから借りているネットワークと、新規参入して構築するネットワークをネットワーク側で融合することも不可能ではないが、NTTドコモとの交渉や技術的なハードルもある。しかし、スマホのDSDSを使えばもっと簡単に2つのネットワークを融合できるのではないか」というのだ。

ここ最近、SIMフリースマホに増えたDSDS機能。Dual SIM Dual Standbyとして、2つのSIMカードに対応し、同時にネットワーク待ち受けできるものだ。

仮に楽天がキャリアとして参入した際、ユーザーにはDSDS対応のスマホを使ってもらい、片方にはMVNOである楽天モバイルとして提供しているSIMカードを挿し、もう片方には、新規参入のMNOとしてネットワークを提供しているSIMカードを挿す。

これにより、都心部など、楽天がキャリアとして提供しているエリアであれば、データ通信料を課金せず、郊外など楽天自身がネットワークを提供できないところはMVNOとして、NTTドコモのネットワークに接続し、従来通りにデータ通信容量が減っていくようにすればいい。

これであれば、楽天は都心部に集中してネットワークを構築して、目標の人口カバー率を達成すればいい。かつてのイー・モバイルがNTTドコモ網にローミングするというかたちをとったが、DSDSを活用すれば、ローミングといったこともしなくていいし、従来のMVNOのスキームをそのまま使えるメリットがある。

創業当初はユーザーも少ないことから「楽天の基地局につながればデータは使い放題」といった見せ方もできるだろう。

DSDS対応機種も今後増えることが予想されるだけに、この手法を使えば、案外、面白い展開になっていきそうな気がする。

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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