スペインでは2013年、亡命したチベット人が中国のチベット人虐殺を裁判所に訴え、江沢民や李鵬などに逮捕状が出たことがありました。中国政府は当時、スペインに対して抗議しましたが、カタルーニャ問題で中国が擦り寄ってきていることで、スペイン側のチベット人に対する人権や自治などの意識への影響も懸念されます。
● スペイン裁判所が江沢民氏など5人に逮捕状、中国は強い不満=胡錦濤氏にも同様の訴え―米華字メディア
一方、日本に対して中国は、沖縄を中国の奪われた「固有領土」だと唱え、領有権を主張するようになってきています。人民日報系の環球時報は「琉球の帰属は未定」と主張し、中国の各団体は沖縄で「琉球独立」を求める団体関係者などと関係を深めています。そのことは、公安調査庁も指摘しています。そして、沖縄という呼称は使うべきではなく、「琉球」と呼ぶべきだとも主張しているのです。
● 中国が「琉球独立」求める団体関係者と交流-公安調査庁・回顧と展望
カタルーニャ問題では「すべての国にとって国家の結束がもっとも重要」と主張する中国が、沖縄と日本との分断工作を仕掛けているわけですから、ご都合主義もいいところです。こうした世界各国で中国が行い、発言しているさまざまな欺瞞について、日本人はもっと目を光らせる必要があります。
今回のまとめ
- スペインで有罪判決を受けた121人の台湾人が中国本土に送還されることに。カタルーニャ独立運動に関してスペインを支持する中国に忖度か
- 中国はカタルーニャ独立問題を、自国のチベット・ウイグル独立運動や台湾独立を牽制するため奇貨として利用
- 「すべての国にとって国家の結束がもっとも重要」とする一方で沖縄の独立を煽るご都合主義ぶりを見せる中国に日本人はもっと目を光らせるべき
※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2017年12月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実』(2017年12月12日号)より一部抜粋