あまりの明るさに星空観察では邪魔者扱いされてしまいがちな「月」ですが、今月末はそんな月が主役の天文ショーが楽しめそうです。今回の無料メルマガ『１日１粒！「幸せのタネ」』では著者の須田將昭さんが、1月31日に観測できそうな皆既月食について詳しく解説しています。
今月の星空案内
今日は「今月の星空」です。まずは三大流星群の一つ、しぶんぎ座流星群を取り上げないといけません…が、極大予報が4日の朝5時ごろ。満月過ぎの月が煌々と輝いており、観測条件としては最悪です。
好条件でみなさんにおすすめなのは、31日夜に起きる皆既月食です。皆既の時間帯はほぼ全国同じぐらいなのですが
- 部分食の始め ：20時48分
- 皆既食の始め ：21時51分
- 食の最大 ：22時30分
- 皆既食の終わり：23時8分
- 部分食の終わり：（2月1日）0時11分
という進行です。
満月の時に起きるのが皆既月食ですから、0時に月は真南にきています。ということは？ 部分食の終わりごろにほぼ真南に月が見えます。食が起きるのはそれより前ですから、東南東の空から南東の空が開けたところを見つけておくことが大事、ということがわかりますね。
皆既月食は肉眼でも楽しめますが、小型の双眼鏡があるとより楽しめます。皆既中の月は赤銅色に見えます。でも全面が赤っぽいわけでもなく、黄色から赤銅色までの様々な色が見えて実に美しい眺めです。写真よりも肉眼で見た方が淡い色なども見えますので、テレビやネットでの中継ではなく、ぜひご自身の目で楽しんでください。
まだまだ寒い季節ですので防寒対策はしっかりと。でも、夜もふける頃には東の空から春の星座が昇ってきています。ちゃんと春はそこまできていますよ。
皆既月食というと思い出すのは、学生時代にひたすら色鉛筆でスケッチした観測です。椅子に座ったまま15分に1枚のペースで、部分食の始まりから終わりまでひたすら色塗りしていました。
終わったら完全に体が冷え切ってしまったのですが、まだ若かったからできたことだなと…今ならもっとしっかり防寒しておかないと病気になります。それでもじっくりと見た月の美しさは今も忘れられません。ネットやテレビで見る「誰かが用意してくれたもの」ではなく、ぜひ生で見ていただきたいものです。
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