「話題の映画が想像以上に良くて泣いた」「自分の子どもが初めて歩く瞬間に立ち会えた」など、日常で遭遇する「感動」は少なくありません。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、これらの一見、仕事とは無関係とも思える「日常の感動」をビジネスで活かすテクニックを詳しく紹介しています。
アピールするということ
日々仕事をしていると、大小に関わらず嫌なことや嬉しいことがあると思いますが、それとは別に過去を振り返れば「感動した瞬間」なんてこともあるかと思います。
たとえば…、「新人営業マンのころ、新規開拓に悪戦苦闘しながらも、はじめて顧客を獲得することができた瞬間」とか、「新商品(新サービス)が市場に受け入れられるかどうか半信半疑にスタートしたら思いもよらないヒット商品になった」とか、「お客様から非常に喜んでもらい、これ以上ないお褒めの言葉を貰った」など。
また、仕事以外の場面では、「映画を観てとか音楽を聴いてとか、絵画を観て」とか、「お子さんから『パパありがとう』なんて手紙を貰った」とか…。
このような自分自身が感動した体験・体感は、実はアピールする際のヒントとなります。なぜ感動した体験がアピールのヒントになるのかというと、アピールという言葉の意味は「胸を打つ・胸を揺さぶる」であり、決して自己主張を強めたり商品を売り込む為の術ではないからです。
つまり、「相手に感動してもらうくらいの印象を残す行為」、ということなのです。
この意味を知っていれば自ずとアピールの仕方というものが変わってくるはずです。たとえば…、営業マンが商品をアピールする時に、商品の良さを必死で説明し勧めるってことがアピールするということではなく、目の前にいるお客さんの話を聞いた上で、本当にその商品がそのお客さんにとって適しているのかどうか? ということを考え提案し、さらには、そのことを伝えるという行為までがアピールになります。その行為が、お客さんからしてみれば「自分の立場になって考えてくれている」というような、ちょっとした感動を覚えてくれ、印象として残るからです。
ですから、売るとか売らないということではなく、相手の印象に残るかどうかということ、それがアピールです。