時間を無駄にしない。具だくさんの豚汁を人の半分の時間で作る技

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この時期いただく具だくさんの豚汁は、もうそれだけでおかずのひとつにカウントできる、食卓の強い味方になってくれますよね。とは言え「具だくさん」となると、手間がかかってしまうというのも事実。どうにかならないものでしょうか。今回の無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』では著者でプロの料理人・gatugatu佐藤さんが、そんな豚汁を「これまでの半分の時間」で作る方法伝授しています。

汁からはみ出す!具材ガッツリ豚汁

佐藤です。私は、猛烈に豚汁が食べたくなるときがあります。たっぷりの野菜と豚肉と味噌が同時に口に入ったときの、あの何ともいえないハーモニーがたまりません。根菜などの野菜に豚肉の脂と味噌の旨味。豚汁だけが出せる絶妙の「味バランス」。口の中にさらにごはんを詰め込みたくなります。

なので、2ヶ月に一回くらいは「豚汁」を作ります。「豚汁」を作るときは普通の味噌汁を作る時より具材を2倍以上に増やします。大阪で修行中、ある安い定食屋さんで毎朝食べていた、具だくさん過ぎる豚汁のボリューム感が忘れられず、家でも再現したくなるのです。

そういった料理は、ボリューム感があって食べ応えがあるのですが、「作る」時のことを考えると少し面倒になります。具材の種類が増えれば切る作業も増える。ここが、面倒に感じるところです…。

ですが、ちょっと考え方を変えると、それほど面倒ではなくなります。ポイントは「~ながら」。

通常、料理は使う食材をすべて切ってから調理に入ります。一応これが基本ですが、食材はそれぞれ熱の通る時間、軟らかくなるまの時間が異なります。そうするとすべての食材を切り終えてから調理を始める必要は無いのです。熱の通りにくい食材、軟らかくなるまで時間のかかる食材を先に切って加熱していけばいいわけです。

例えば、大根、人参、ゴボウ、白才、キノコ、豚肉を使って「豚汁」を作るとします。この中で、軟らかくなるまでに時間がかかるのが大根にんじん。ゴボウはそこそこ長めの加熱でOK。あとの具材は比較的、熱の通りが早く軟らかくなるまで時間がかかりません。

それぞれの特徴を理解すれば、豚汁を作る調理時間を少し短縮できます。さらに立ちっ放しの時間もちょっと短くなって楽ですよね。

ます、大根、人参を切ったら、「すぐにゆで始める」。これらが軟らかくなるまで8~10分かかりますので、その間にゴボウその他の野菜豚肉を切る。で、切っている間に大根人参が軟らかくなってくるので、ゴボウを加える、次に白才、キノコ、最後に豚肉。熱の通りの早い食材は早く熱が通るので後で切ればいいのです。

これが、全ての食材を切ってからですと大根と人参を茹でている間、軟らかくなるまで何もせずに待たないといけません。何もせず「待つ」時間が無駄。ゆでている時間を「切る」作業に当てることで時間の無駄をなくせ、全体の調理時間を短縮できます

「茹で『ながら』切る作業を行なう」。こうすることで2つ以上のことを同時進行でき、時短になるわけです(これは「豚汁」のみを作った場合と仮定します、複数の料理を作るなら茹でている間に他の作業をすることもできます)。

ポイントは「○○しながら」。この考え方で作れば、野菜の種類が多くなってもそれほど億劫ではなくなると思います。2つ以上の同時進行なので極端に言えば半分の時間で済むわけですね。

少しだけ頭を使って料理するだけで食材が多くても「時短調理」になり気楽に作れます。料理歴の長い方なら分かる思いますがこうしたちょっとした、基本がわかるだけでも、料理は自分の工夫次第でいくらでも「楽チン」にできます。私も現役の時は「ながら」を多様することで、うんざりする大量の仕込を決められた時間内に終わらせることができていました。

私のおすすめ「汁からはみ出す! 具材ガッツリ豚汁」で、「ながら」の基本をマスターしておいて下さい。

レシピ

【材料】(2人前2日分)

  • 大根…1/6本(100g)
  • 人参(小)…1/2本(30g)
  • ごぼう(中)…1/2本(50g)
  • 南瓜(小)…1/8個(100g)
  • 白才…大きい葉2枚(100g)
  • しめじ…1/4束(50g)
  • 油揚げ(小)…1/2枚(30g)
  • 豚バラ肉スライス…80g
  • 刻みネギ…適量
  • 水…1リットル
  • カツオ出汁の素…小さじ1杯
  • 合わせみそ…70g

1.人参は少し長めの乱切りにします。

大根は、5mm幅のイチョウ切りに(直径が大きい大根なら縦6等分にしてから切って下さい)。

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2.鍋に大根、人参、水を入れ強火にかけます。沸騰したら中火にして茹でます。

かつお出汁の素も入れておきます(カツオの旨味が茹でている間に少し浸み込んでいきます)。

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3.茹でている間に…ゴボウは、皮を剥いてピーラー(皮むき)で「ささがき」にします。

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4.すぐに鍋に入れます。

ゴボウは洗わないでOK、ポリフェノールなどの栄養素が逃げることなく摂れます。

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5.南瓜は皮を付けたまま2cm大の角切りにします。

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6.玉ねぎは横2等分に切った後、縦1cm幅で切ります。

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7.白才は、葉と茎を切り分け、葉は3cm角に切り、茎は斜め5mm幅で刻みます。

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8.しめじは、根元を切り落とし1つ1つにばらします。大きい場合は2~3等分に裂きます。

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9.大根と人参が軟らかくなったら水200cc足します(蒸発して水分が減るので)。

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10.玉ねぎと南瓜を入れます。さらに茹でます。

南瓜は、沸騰したところに入れると崩れるので、水を入れ温度が下ったところに加えて下さい。

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11.油揚げは、熱湯をかけ油抜きします。

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12.よく水分をしぼって5mm幅で刻みます。

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13.豚バラスライスは、3cm幅に切ります。

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14.南瓜が柔らかくなったら、白才の茎を入れてさらに茹でます。

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15.白才の茎が少し軟らかくなったら白才の葉、しめじ、油揚げを入れます。

具材がなかなか沈まないので玉じゃくしで軽く押し込んでください。1分ほど茹でます。

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16.弱火にして「みそ」を味噌溶きで溶かします。

味噌の香りを飛ばさないようにするため、味噌を入れる時は弱火にします。

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17.豚肉をばらしながら広げて入れます(固まりで入れるとくっ付いてなかなか剥がれないので)。

玉じゃくしで軽く押し込みます。もう一度強火にして沸騰前に止めて出来上がり! 味噌を入れてからグラグラ沸騰させると味噌のいい香りが減ります。

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18.できれば大きなお椀に、ガッツリ盛って下さい。刻みネギをのせて出来上がりです。

一味をふると豚肉の臭みが抑えられてさらに美味しく食べられます。

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たっぷり作って2日かけて食べて下さい。

大根、人参が軟らかくなるのが早いこともあるので、その場合は「7.8.」の作業を後回しにしてもいいです。大根人参が軟らかくなったらすぐ、南瓜、玉ねぎを加えて下さい。

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板前歴23年の元料理人が一人分レシピの和風料理を伝授します! 10分の酒の肴、20分以内の簡単おかず、などなど…仕事で忙しい料理初心者の 方でも、健康的でボリュームのある手作り料理がマスターできます!気楽に作れ て晩酌が楽しみになりますよ。 「言われた通りに作ってたら、一通りの料理ができるようになりました!」 メルマガ読者さんから頂いた一番うれしかった感想です。 丁寧な説明なので、あなたにもできますよ! 

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【著者】 佐藤 周生 【発行周期】 週3回発行(火・木・土)

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