フィンテック
「仮想通貨元年」から始まった話題。ビットコインやら、出川哲朗さんのCMのコインチェックなど、そんな話題から僕には縁のないフィンテックって言葉まで飛び出した。
新米 「フィンテック? なんですか、それ?」
所長 「フィンテックってどういう意味かってこと? ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)の2つを併せた造語なんだ。日本語だと金融ITとか、金融テクノロジーと略されることもある」
新米 「造語なんですかぁ。ファイナンスとテクノロジーって言われると、なるほどと思いますね。でも、それでもどんなものなのかピンと来ません」
所長 「確かに、わかりにくいかもね。IT技術を使った新たな金融サービスってことさ。フィンテックとして一番有名なのやっぱりはモバイル決済だね。iPhoneやAndroid携帯などに小さな器具を取り付けるだけでクレジットカード決済が出来る、スクエアや楽天スマートペイって、名前は聞いたことあるだろ?」
新米 「モバイル決済は、わかりますけど、器具を取り付けて…っていうのまではまだ…」
所長 「うん、そうだよな。私なんか事務所携帯はスマホにしても、まだガラケーを使っている派もいるくらいだからね。外出先で話すことがメインだからだけど、スマホでもようやくかけ放題が出てきたからやっとそろそろ移行しても良い頃かと思い出したよ」
新米 「所長、今頃遅いですよ~」
所長 「ハハハ…。ガラケーでは恩恵を受けられないアプリを使う練習もそろそろしておかないとダメだなって思ってるしね」
新米 「はい、了解です…(+_+)」
所長 「『財布の中にクレジットカードやキャッシュカードがたくさんあって邪魔だ!』って思っている場合、複数のクレジットカードやキャッシュカードを1枚にまとめることが出来る電子カードなんかもフィンテックの一種だね」
新米 「そういうのもフィンテックっていうんですか」
所長 「LINEやFacebook経由でお金を送金できるようになったり、指紋認証や顔認証だけで店頭での支払いができるようになったり…」
新米 「つまり、現金なしで買い物ができる…」
所長 「そうそう、海外では、街とは言えない、ものすごい辺鄙なところまで進んでいるようだよ」
新米 「え? どういうことですか?」
所長 「道端で野菜などのモノを売っている人がQRコードで決済しているのは、当たり前。極端な例では、物乞いの人がQRコードを張り出して道端に座っていたテレビ番組を見たよ」
新米 「え? モノを売っているんじゃなくて、物乞いの人まで?」
所長 「そう。あれは驚いたね。舗装もされていない路地のような道端で物乞いの人も混じって、いろんなモノ売りの人たちが集まって市場のようにQRコードがズラリと貼り出されていたよ」
新米 「うわぁ、想像できない場面ですね」
所長 「私も初めて見た光景だったよ。日本でフィンテックが進んでいないのは、ATMがいたるところにあって便利すぎるからなんだろうなぁ」
新米 「進んでいることがかえって遅れる理由になっていってるってことですか?」
所長 「そういうことだね。日本はこの部分ではかなり遅れてしまっているようだよ」
新米 「そうですか。QRコードって言うと、今までは『詳しくは、こちら』ってことを伝えたいというイメージでしたが、QRコードで伝える内容も変わってきたってことですね」
所長 「海外では、名刺なんかにも印刷されているようだしね」
新米 「お金の決済が目的でですか?」
所長 「そういうことだね。個人の決済もだし、会社での決済もだろうね。これからは、会社の会計もクラウドと連携していくようだし、経理も家計簿もいらなくなる社会が来るだろうって言われているね」
新米 「え? 会計と連動するんですか?」
所長 「そういうことにもなるらしいよ」
新米 「10年後になくなる仕事ランキングで税理士さんが高いのは、そういう理由もあるんですか?」
所長 「IT化、機械化できるものは、人手がいらなくなるものね。銀行を通さなくてもネットでお金のすべてが管理できるようになるなら、想像以上に人が介在しなくて良くなる、ずいぶん省力化になるね」
新米 「そうですけど、セキュリティやら、なんやらいろんな意味で不安ですね」
所長 「パソコンがはいってから、世の中のスピードは変わったけど、今またものすごい勢いで変わっていっている感じがするよ」
新米 「確かに」